7月8日(水)
4年生の統合看護演習Ⅱの授業で、日本ALS協会岡山県支部長の河原学さんから
「患者からみたALS療養」をテーマに講義を受けました。
学生の感想を紹介します。
○ALS(筋萎縮性側索硬化症)は、人口1万人あたり全国平均0.72人の患者がおり、Ⅰ年間で約2000人の患者が死亡し、毎年約200人ずつ増加しているという現状を知ました。体感は「健康な人が30㎏位の荷物を常時背負っている、持っているようなイメージである」と学び、自分が想像していたよりもずっと辛くてしんどい病気だとわかりました。最近になって、ALSの進行を遅らせる効果のある薬が認可され、発病後1~2年であれば効果があるが、大半は診断が確定されるまでに3年ほどかかるため、もっと国が主体となって研究を進めていくべきたと思いました。
○4年の授業や昨年あたALSのドラマを見ていたので、ALSについて知っていましたが、実際に療養されている片と関わる機会がなく、初めて直接お話を聞くことができて本当に良かったです。川原さんは難病と診断されても日本ALS協会岡山県支部支部長としてご活躍されており、病気に対する恐怖や不安があったかと思いますが、他のALS患者さんのためにも活躍されており立派な方だと思いました。もし私が治療方法のない難病と診断されていたら落ち込んでしまい人との関わりを避けると思います。河原さんはALSという難病を受け入れることで前向きに生活していらっしゃり、本当にすごい方だと思いました。
○様々な制度もあるけれど地域で格差があることもわかりました。岡山県内でも県南の倉敷や岡山市等にあるものが県北には殆どなく、レスパイト入院のために県南の病院に移動することに高額の交通費がかかっているという事実を知り、愕然としました。また、資源を利用しようとしても制度が複雑で、手続きの方法や窓口が異なり行政の窓口の人も十分に知らないため〈たらいまわし〉にされ負担が大きいということがわかり、利用しやすくするように私たちも支援していくことが大切だと思いました。
○一番驚いたことは、入院中の療養生活で困ったことについてです。患者アンケートの仲で一番多かったのが、ナースコールを押しても「看護師が来ない、看護師が杓子定規な対応、話を聞いてくれない」という回答が多かったことです。入院中の看護師の存在はとても大きいと思います。しっかり患者・家族の声に耳を傾け、気持ちを受け止められるような看護師になっていきたいです。
○最後に河原さんが作られた、備前★日生大橋ができるまでの「夢の架橋」のDVDを見て、3年間そこに通い続けDVDを作り上げたプロセスにも感動しました。夢は必ず叶う、毎日の積み重ねが夢への道であり、私に対して“夢を持ち夢に受かって頑張れ”というメッセージを頂けたように思います。
○講演の最後に奥様からのメッセージを頂き、どんなに辛くても笑顔を忘れず、患者さんや家族の話をよく聴き、「ありがとう」と言ってもらえるような看護をしていきたいと思います。
お忙しい中、貴重な講義を頂くことができ学生への大きな励ましとなりました。
ありがとうございました。
統合看護演習Ⅱ 担当教員