2013 年 6 月 23 日

食品加工の金沢教授です

食品加工担当教授、金沢和樹
「みんなで一緒に、美味しくて、美味しくて、安全で、健康にいい食品を創ろう!」

金沢教授の専門は栄養化学です。世界で初めて(35年前)、機能性食品(健康食品、サプリメントとも言う)を発見しました。そこで金沢教授が推奨する、元気で病気にならない食生活を紹介します。人は食物を食べることで生きている生物です。植物などは空気中の炭酸ガスから光合成でデンプンを作り、それをエネルギーにできます。土中の窒素からアミノ酸をつくって体のタンパク質にできます。ところが人は自分で何も作れません。植物が作ったものを食べることで、あるいは植物を食べた動物を食べることで、からだを造り、からだを動かすエネルギーにつくり変えています。したがって、何を食べるかによって、その人の健康状態、寿命、頭のはたらきや性格まで決まるのです。そこで、下の「健康ピラミッド」を見てください。

ピラミッドを太線で3段に分けて、下段はさらに点線で2段に分けています。一番下は米・麦・芋などの炭水化物食、この炭水化物食でからだを造ったり動かしたりするためのエネルギーを摂ろうという意味です。その点線の上はタンパク質と脂質の給源です。左の2つは植物性タンパク質の大豆製品。大豆は良質のタンパク質含み、がんや骨粗鬆症を予防してくれるイソフラボンが豊富です。まん中は陸の動物のタンパク質。陸の動物の肉のタンパク質は魚などと同じですが、脂肪が違います。陸の動物の脂肪はからだを元気にする脂肪酸を含んでいます。右は海のタンパク質ですが、海の動物は神経のはたらきを良くする脂肪酸を含んでいます。もう一つ、牛乳があります。牛乳は大切なカルシウムの給源。ですから、この下から2段目の食物類を、偏らずにまんべんなく摂ります。まんべんなく食べるのですが、たくさん食べるという意味ではありません。その人の活動量に合わせて食べます。どれくらいが適量かという簡単な計算方法があります。体重X 0.4キロカロリーとするのです。体重が60キログラムの人なら、それをグラムに変えて、60,000グラム。掛ける0.4で、2,400キロカロリーです。もちろんやせたければ、食べる量をもっと減らせばいいのです。
さて、重要なのは中段です。中段には野菜果物が並べてあります。これらは、ビタミンとミネラルの給源というだけでなく、最近話題のポリフェノールや食物繊維は、これらの野菜果物にしか含まれていません。ですから、この中段はカロリーも量も考えずに、できるだけ多く食べるのです。野菜果物を、葉菜、色の濃い葉菜、果実野菜、根菜、果物の5つのグループに分けました。これは、毎日同じものを食べていると飽きていやになると思ったからです。この5つのグループの中から1種類か2種類を選びそれを組み合わせ、その組み合わせを日によって変えることで多彩にして、食べるのがいいと思います。
一番上が話題の健康を維持するためのサプリメントとか健康食品を作る素材に使われている食物です。トップはがんと糖尿病を予防すると、世界中の研究者が認めている緑茶です。その下はニンニク。これもがん予防効果がたいへん強い食物です。この二つは、効果があるからといってたくさん摂る必要はありません。むしろ少ない方が良いのです。そしてできるだけ毎日摂ることが重要です。点線の下は、もうすこし一般的な健康食品です。キノコ類、海藻類、ハーブ類、ごま、刺激の強いネギ類、そしてシシトウやピーマン類です。これらは免疫応答能を正常に保ったり、消化管の炎症を抑えたり、からだに耐性を与えたりする力を持っている食物です。
たいせつなことは、このピラミッドは逆さにできない、ことです。健康食品で健康になった人は居ない。下段の炭水化物、脂質、タンパク質を適量とり、中段の野菜果物類を十分に摂って、からだをつくならければ、上段の健康食品は効きません。下から順番に積み上げていくことが大切です。このピラミッドを守っていれば、健康食品やサプリメントなどとる必要は全くありません。

もう少し簡単に言って! という方に:
若い人の一日の食事の一例をあげてみます。肉60グラムくらい、魚60グラムくらい、ミルクコップ2杯、卵一個、大豆製品(味噌汁、納豆、豆腐など)80グラムくらい、ご飯はお茶碗2杯、そして、野菜・果物・茶・海藻などの植物性食品をできるだけ多く食べるように努力します。
もっと簡単に言うと;
「美味しいものを少しずつ多彩に、そしてできるだけ多く野菜。果物を摂る努力をする」です。
金沢教授です

カテゴリー: 新着情報