10月19日(土)、20日(日)の両日にわたって、ゲームジャム高梁2024が、吉備国際大学国際交流会館で開催されました。
ゲームジャム高梁2024ホームページのトップ画像。イラストは、吉備国際大学アニメーション文化学部の空さん。
ゲームジャムは、即席のチームで、週末の2日間など短期間でゲームを制作する集まりです。もともとは大手ゲームメーカーでは発売しないような新しいタイプのゲームを開発することを目指して、インディー(大手メーカーに属さない小企業や個人などのこと)の開発者が集まって始めました。その後、ゲーム開発や情報通信技術(ICT)の研究開発者の育成にきわめて有効な実践的な学修機会を提供することで注目されました。
ゲームジャム高梁は、2015年に、中四国のクリエイター同士、クリエイターを目指す学生・生徒などとの交流を促進し、併せて、こうした学生・生徒に実践的な学修機会を提供するものとして、始まりました。最終的には、クリエイター・エンジニアと関係者のネットワークをつくりあげ、高梁市をはじめとする岡山県や中四国の地域に、デジタルゲーム産業や映像産業をはじめとする新しい産業創出を目指しています。吉備国際大学は、2015年開催の第1回ゲームジャム高梁から後援を続けています。
今回は、2015年から数えて10年目、コロナ禍での中止(2020年)を挟んで9回目のゲームジャム高梁となります。主催は、ゲームジャム高梁実行委員会(世話人:石井聡美合同会社テゴ代表)。共催は、岡山Unity勉強会(会長:面田高章株式会社なのですCEO)、広島Unity勉強会(会長:中奥貴浩さん)、一般社団法人讃岐GameN(代表理事:渡辺大さん)の各地のクリエイターコミュニティです。
ゲームジャム高梁2024の運営には、吉備国際大学アニメーション文化学部やeスポーツサークルの教員・学生が加わったほか、アニメーション文化学部の佐々木洋教授(背景美術・イラストレーション)および松山恭大准教授(コンピュータグラフィクス)が審査員を務めました。
今回は、1日目はあいにくの大雨でしたが、50名以上の参加者を集め、過去最大級の参加者数となりました。中四国各地のクリエイターやエンジニア、専門学校の教員など、実践的にデジタルゲームづくりや教育にかかわる専門家が集まる一方で、岡山市内を中心に、多数の専門学校学生が参加しました。吉備国際大学からも、3名の学生が参加して活躍しました。
ゲームジャム高梁2024開会式。吉備国際大学アニメーション文化学部清水光二学部長の開会宣言。撮影:岡敬祐さん(吉備国際大学心理学部・eスポーツサークル)。
ゲームジャムの注意事項を伝達する山根信二国際ゲーム開発者協会理事・東京国際工科専門職大学講師。山根先生は、石井聡美高梁議会議員(当時)とゲームジャム高梁を開始した一人です。撮影:中奥貴浩さん。
19日朝は、清水光二吉備国際大学アニメーション文化学部長の開会宣言で開始。開会式終了後、「ペラコン」で8つのゲームを選び、開発が始まりました。「ペラコン」とは1枚(ぺら)の企画書による企画コンペのことです。この1枚ぺらの企画書も「ペラコン」と呼ぶことがありますね。9月22日に開催された、ゲームジャム高梁2024参加のためのガイダンス「事前勉強会」で発表されたテーマは「押す」。この「押す」というテーマをもとに、当然ボタンを「押す」ゲームに加え、アイドルを「推す」ゲームまで、さまざまなアイデアがペラコンでは発表されました。
ペラコンでの「推し推しパニック」のプレゼン。アイドルを「推す」ゲーム。
「魔王の押し事」のプレゼン。「押すこと」と「お仕事」をかけたゲームタイトル。どのチームも印象的なプレゼンで開発仲間を募ります。
ペラコンから、アニメーション文化学部の課題解決演習の学生たちが見学し、取材もしてくれました。課題解決演習は、地域密着型大学を目指す吉備国際大学の特徴ある授業の一つで、地域に出かけて、地域課題の解決について取り組む試みや事業等を見学したり、授業のなかでも演習形式で地域課題解決について学生自身が取り組む授業です。アニメーション文化学部の課題解決演習では、社会教育を通じて地域振興を目指すゲームジャム高梁の見学を義務づけています。
ペラコン終了後チーム分け。通信アプリのDiscordで投票後、このゲームを開発したいという人が集まります。制作上の役割がうまく各チームでバランスするように調整。各チームともに社会人1-2名と学生という構成に落ち着きました。
地域課題研修で見学に訪れた学生たちは、「押す」というテーマをめぐって考え出されたアイデアの多様さや、ペラコンでチームを作ってから、見知らぬ同士でもすぐに相談をはじめてゲーム企画をさらに練り込んで制作を進める姿に感銘を受けたようです。
1日目、ゲーム「FruitsFactory」に取り組むチーム「チームカーゴ」の様子。
この日は、夕方に企画発表会が開かれました。ペラコンで示されたアイデアを、その場に集まったメンバーで実現するには、どのような具体的な企画にするべきかなど、実際に制作を進めながらこの日は検討をしました。この検討した結果を企画発表会で報告するわけです。
1日目夕方の企画発表会でのチーム「Whiteout」のゲーム「LastPenguin」のプレゼン。
チーム「チームカーゴ」のゲーム「FruitsFactory」の企画発表会プレゼン。
この日の夕食は、みんなで食べるとなったらカレーでしょう、ということで、カレーをいただきました。ごはんづくりでは、アニメーション文化学部OBの小林亮介さんをはじめ、アニメーション文化学部の学生も力を発揮してくれました。
この日は現地に泊りでがんばる参加者も多数。未明まで開発を続けていた参加者も多かったようです。集中的に開発を行うため、参加者も運営ボランティアも健康管理が大事です。
2日目の20日は、三々五々起きだして、朝早くから開発が始まります。8時半過ぎから徐々に朝ごはんの準備もできてきて、順番に食堂で朝ご飯を取りました。ベーコン・ウインナー、具沢山のきんぴら、味噌汁の朝ごはんから開始。鮭入りのおかゆと白ごはんから主食が選べます。広島の専門学校で3D開発環境Unityの操作・活用を教えられている佐々木順昭先生も、「味噌汁は得意な料理ではないのですが、、、」とのことでしたが、味噌汁作りで大活躍をいただきました。
2日目の朝ごはん。運営支援のスタッフが用意した朝ごはんを順番に受け取っていきます。撮影:中奥貴浩さん。
2日目の開発追い込みに入ったチーム「エンジェルワークス」の様子
2日目は開発追い込みです。13時頃には、開発の中間状況を報告する開発発表会。この開発発表会は、開発を進めてもらいながら、どんなゲームがどこまでできあがっているか、実際の画面を映像に映して、代表者をはじめとするみなさんにインタビュー形式で答えてもらいます。16時が完成したゲームのリリース(インターネットでの公開)時期ですが、13時ですでに相当な仕上がりのゲームも登場していました。さらにブラッシュアップを続けて、リリース時間に備えます。
2日目13時頃から始まった開発発表会の様子。開発中のみなさんにインタビューをしながら、映像を大スクリーンに投影して、会場内のみんなで開発状況が共有できるようにしています。
開発発表会のときには、李志銘さんの「押せ!スロット」はもう遊べる状態まで完成に近づいています。すごい!
16時にはみんなでカウントダウンをして、ゲーム開発の終了を迎えます。最後は会場絵全体で拍手。ゲーム開発完了を待って、試遊機で遊べるようインストールを開始しました。ちょうど、吉備国際大学アニメーション文化学部の学生が課題解決演習の見学に来ていたので、すでにインストールができていたチーム「Criminals」(すごい名前!)のゲーム『DropOut』で遊んでもらいました。相当に面白かったようですよ。
各チームのゲームのリリース後、完成したゲームがどんなものでどこが見所(プレイしどころ?)かアピールする成果発表会が開催され、審査委員たちがゲームの審査に臨みます。成果発表会後会場を撤収して、各賞発表と懇親会の会場にみんなが移動。18時30分からの懇親会に備えます。
成果発表会。「エレベーター株式会社」のゲーム「俺のエレベーター」のゲーム画面。エレベーターのボタンを押します。
「推し推しパニック」のゲーム画面。推されるアイドルたちが表示されています。
「DropOut」のゲーム画面。立体ボール転がしゲーム。「敵を押しのける」という押す要素が入っています。
「神様の気まぐれボタン」のスタート画面。神様は女性のようです。
「押せ!スロット」のプレゼン。タイミングを計ってキーボードやスマホの画面等を押し、点滅する光を止めます。
「魔王の押し事」のプレゼン。城まで迫る勇者たちを魔王がボタン操作で撃退するゲーム。懐かしのRPG風のやや物悲しくも聞こえる音楽が気分を盛り上げます。
「FruitsFactory」のプレゼン。フルーツを押してかごに入れることで得点が入ります。
その一方で、食事を作る高梁市総合福祉センター調理室では、戦場のような勢いで参加者+スタッフ+審査員の約60人分の食事の準備が進みます。実は本ブログ報告者の(お)も、成果発表会が始まる前に総合福祉センターに食事の材料を届けたついで、食事づくりに参加することとなってしまいました(大量のほうれん草を下ごしらえし、唐揚げの下ごしらえのできた鶏肉を油に投入しては引き揚げて…といったような作業を続けました)。相当手際のよい食事準備チームだったと思いますが、なかなかたいへんでした。約50人の食事を短時間で手作りで提供するのはなかなかたいへんなものです。
(お)が懇親会会場に戻ると、各賞受賞発表の真っ最中でした。みなさん楽しそう。2日間の苦労をねぎらって、ジュースやお茶で乾杯。食事準備チームの作成した料理も好評そうでした。めでたし、めでたしというエンディングです。
表彰式兼懇親会会場の一角には完成したゲームの試遊会場が設置されていました。みんなで遊んでゲームの感想を交換します。
30時間のゲーム開発を終えての懇親会。チームやその他の参加者・運営支援ボランティアと交流を深めます。
審査委員長の佐々木洋アニメーション文化学部教授の審査員講評。
一般社団法人讃岐GameNの渡辺大代表理事から「エンジェルワークス」に讃岐GameN賞の授賞。
ゲームジャム高梁2024のハイライトダイジェストやその他のいろいろな情報は、ゲームジャム高梁のホームページで閲覧できます。
当日の各賞は、次の表のとおりです。
これらの各賞受賞作品を含むゲームジャム高梁2024で開発されたゲームは、Unityで制作した無料ゲームを集めているUnityroomで「ゲームジャム高梁2024」で検索すると見つかります。こんな感じ。ぜひ遊んでみてくださいね!
ゲームジャム高梁2024の運営支援をしてくださった学生のみなさん:
尾中駿介さん(アニメーション文化学部1年)
柴田亜衣香さん(アニメーション文化学部1年)
古居玲乃さん(アニメーション文化学部1年)
板野那美さん(アニメーション文化学部2年)
野村花音さん(アニメーション文化学部2年)
村上千宙さん(アニメーション文化学部2年)
安藤温さん(アニメーション文化学部3年)
早瀬愛梨さん(アニメーション文化学部3年)
S.B.G. サマダラ・チャンドラマレーさん(アニメーション文化学部3年)
河原咲弥さん(eスポーツサークル・経営社会学科2年)
岡敬祐さん(eスポーツサークル・心理学部4年)
福田新拓さん(eスポーツサークル・心理学部4年)
※本記事の写真は、撮影者名の入っているもの以外は、吉備国際大学心理学部・eスポーツサークルの福田新拓さんの撮影です。
アニメーション文化学科の卒業生・成琨(セイコン)さんが先日、パリのユネスコ本部で、自身がこれまで関わってきた壁画「朝元図」の修復および復元活動について報告を行いました。
「朝元図」というのは、中国に現存する最古かつ最大の道教寺院「永楽宮」(山西省運城市)の境内に残る、元代に描かれた壁画のことです。
壁画の修復および復元の試みは2021年から始められたそうですが、何と成琨さんがCEOを務める会社「文明砕片」も当初からそれに参加していたのでした。
永楽宮の壁画修復については、こちらの記事をご参照ください。
今回のユネスコでの展示については、こちらの記事をご覧ください。
卒業生は時に大きく成長するものですが、成琨さんの場合は成長というよりも、「化ける」という言葉ががふさわしいような変化のしかたです。
まだまだ若い彼女ですから、これから一体どれだけ「化け続ける」のか、日本の高梁からずっと見守っていきたいと思っています。
成琨さん、ガンバレ!!!!!
10月19日(土)、20日(日)、吉備国際大学を会場に開かれている「ゲームジャム高梁2024」の様子が、NHKのニュースで報道されました。
ニュースおよび記事の閲覧は、こちらから
このゲームジャムには、アニメーション文化学科からは、教員だけでなく、学生もまた開発者あるいは運営スタッフとして数多く参加しています。
ゲームとアニメの親和性を直に確認するのに、これほどいい機会は他にありませんね。
今日の夕方には、出来上がったゲーム作品の発表会があります。
その様子については、また改めて。
今年は、ゲームジャムが目白押しです!
週末10月19日(土)、20日(日)は、吉備国際大学国際交流会館で、ゲームジャム高梁2024が開催されます。詳細は、ゲームジャム高梁2024の告知ウェブサイトをご覧ください。
ちょうど同じ日に、北海道札幌では、ゲームをテーマとする一大イベント札幌Game Campが開催されます。このイベントの中で、ゲームクリエイター発掘を目指すゲームジャムが開催されます。
11月8日(金)~11日(月)には、京都外国語大学で、京都創造ゲームジャムが開催されます。このゲームジャムは社会課題解決をテーマとしています。在大阪・神戸アメリカ総領事館が主催というところも興味深いですね。吉備国際大学アニメーション文化学部は、この京都創造ゲームジャムのコミュニティメンバーとなりました。
11月29日(金)~12月1日(日)には、東京の日本科学未来館で、科学をテーマとするサイエンティフィックゲームジャムが開催されます。こちらはまだ応募を受け付けているようですよ。
ゲームジャム、今年はたくさん開催されていますね。来年はさらに増えるかも。たとえば、京都創造ゲームジャムのコミュニティメンバーとなった大学や機関などが主催するゲームジャムとかありそうな予感?!
アニメーション文化学科の4年生が、人気難関アニメスタジオ”WIT STUDIO”から内定をいただきました。
“WIT STUDIO”というのは、テレビアニメ『進撃の巨人』『甲鉄城のカバネリ』『SPY×FAMILY』、劇場アニメ映画『ハル』などで知られる超有名な会社なのです。
“WIT STUDIO”のHPは、こちらをクリック。
本学科は数年前から地元だけでなく、東京の大手のアニメスタジオも視野に入れた教育・就職指導を始めてきましたが、ようやくその成果が現れ始めたように思います。
内定を手にした学生には後日改めてその就職活動の様子を語ってもらうつもりですが、今は内定の事実だけを速報ニュースとして皆様にお届け致します。
9月8日から14日までの一週間、河村顕治学長とアニメーション文化学科の教員4名で、念願の中国訪問を行いました。
コロナ禍により途絶えていた交流を再開するため、かねてから交流のあった湖北工業大学と黄岡師範学院を訪ねるのが、今回の旅行の一番の目的でした。
まずは9月10日、湖北工業大学の巨大な図書館の前で記念写真を一枚。
大きくてモニュメンタルな建築物は、中国の場合公的な機関には欠かせないもののようです。
図書館内の空きスペースでは、大学院を受験予定の学生らが椅子を自分らで持ち込んで、思い思いの場所で勉強をしていました。
中国の大学院入試はなんと全国統一の試験だそうで、それに合格するためには大変な努力が求められるとのこと。みんな、頑張れ!
9月11日、黄岡師範学院にて、河村学長が漆校長(学長)に記念品として「津軽びいどろ」を贈呈されました。
赤は中国の方が特に好まれる色なので、黄岡師範学院の関係者はこの贈り物をとても喜んでくださったと思います。
こちらが持参したお土産以上のお返しがあるのが、まさに中国です。
この後、帰りのスーツケースを心配するほどの記念品をいただきました。恐縮、恐縮!!!
そして最後は、お決まりの記念写真です。
写真の右側には、黄岡師範学院の学長、副学長、美術学部長などが並んでいらっしゃいます。
関係者の顔合わせの後には、アニメーション文化学科の教員4人による特別授業がそれぞれ2回ずつ行われました。
建物の玄関ホールには立派なポスターまで用意して下さり、本当に驚きでした。
清水光二 教授 :「映画の誕生から、物語映画の3幕構成まで」 「映画の3幕構成とジョーゼフ・キャンベルの<英雄の旅>」
前嶋英輝 教授 :「手の立体表現と量感」 「日本美術史とアニメ」
冨田聡 准教授 : 「アニメの制作工程と職種」 「アニメの制作会社と作品」
松山恭大 准教授 :「妖怪とキャラクター」 「CGの仕事について」
黄岡師範学院の学生さんが制作されたアニメ作品も見せていただきました。
3か月の期間を要した労作だそうです。
この作品を見ながら改めて感じたのは、アニメという表現がもつ国境や文化の差異を軽く超える伝達能力の高さです。
実際、言葉による説明もセリフもない作品なのですが、作り手の意図は100%こちらに伝わってくるのでした。
10月には、今回訪問した湖北工業大学と黄岡師範学院から多くの学生が来てくれることになっています。
これもまた、遠方より日本のアニメが招いてくれた贈り物(学生たち)だと考えているところです。
アニメの力、万歳!!!
「はっ!」いま目覚めました。ゲームジャム高梁2024の準備を進める中で、ゲームジャム高梁2023のブログ記事を送っていなかった事実に気づき驚愕して、学部長にブログ記事を提出した(お)です。たいへん申し訳ありません。
「ゲームジャム高梁2023」は、吉備国際大学国際交流会館を会場にして、2023年10月28日(土)、29日(日)の2日間にわたり開催されました。
ゲームジャム高梁2023会場でのゲーム開発風景。
オンライン・オフライン含め30人以上が集まり、たいへんな盛況でした。参加者は岡山県内のほか、香川、広島からもあり、参加チーム7チームは、8回開催されたゲームジャム高梁で最大です。
今回ゲストとして、ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン株式会社アドボケイトの簗瀬洋平さん、香川県でゲームづくりをコアにした街づくりや若者の支援に取り組む讃岐GameN代表理事渡辺大さん、ゲームジャムという活動を日本に導入した一人である東京国際工科専門職大学山根信二先生、吉備国際大学アニメーション文化学部長・教授清水光二先生をお招きしました。
開会式では、ゲームジャム高梁を主催するゲームジャム高梁実行委員会の世話人石井聡美さん(高梁議会議員)の司会で、清水先生のゲームジャムとアニメーション文化学部の歩みを振り返るビデオメッセージや、長くゲームジャム高梁実行委員会委員長・審査委員長を務めていただいたものの、今回海外出張のためご臨席がかなわなかった吉備国際大学アニメーション文化学部教授井上博明先生のビデオメッセージが紹介されました。そして、清水先生の開会宣言で、今年のゲームジャムが幕を開けました。
30時間のゲームジャムは、吉備国際大学eSportsサークルの岡敬佑さんと福田新拓さん(おふたりとも心理学部の学生)の手でオンライン配信されました。オンライン配信の主要な部分は、下記のホームページでご覧になれます。
ゲームジャム高梁2023ホームページ。イラストとロゴは、それぞれ、吉備国際大学アニメーション文化学部張溢凡さんと、同学部KUMARAGE DAKSHITHA PRASANNAさんの作品。
30時間の高梁市議会議員石井聡美さんが世話人を務めるゲームジャム高梁実行委員会の尽力と、協賛企業・篤志家のご厚意で、参加者には格安での4食(1日目昼ごはんから2日目昼ごはんまで)提供が今年も実現しました。また、eSportsサークル顧問の村上勝典瀬根氏、高梁城南高校デザイン科長・教諭の河原英利先生、本学学生の早瀬愛梨さん・卒業生・そのお友達が運営ボランティアで活躍してくださいました。多くの方々の力に支えられて今年のゲームジャム高梁2023も実現しました。どうもありがとうございます。
1日目昼ごはんは、高梁市津川町の豆腐料理のお店「雲白」(くもじろ)のお弁当。
1日目晩御飯のカレーの写真は撮り損ねて、2日目朝食は肉まんと油条(中国風のパン)入り豆乳スープ。
2日目お昼はバインミー(ベトナム風サンドイッチ)。朝の豆乳スープが余っていたのでそれもいただきました(ブログ書いている(お)はよく食べますねえ)。
ゲームジャム高梁2023には、昨年に続き、吉備国際大学アニメーション文化学部のHANAさんが参加。
成果発表会でコメントするHANAさん。HANAさんは、「JUMP or Treat」で背景イラストやトップ画面のデザインを担当しました。
完成したゲームは下記で遊ぶことができます。遊んでみてよかったところ、もっとこうしたらいいんじゃないかなというところがあれば、ぜひぜひコメントを。
https://unityroom.com/latest_updates/tags/7294
「ゲームジャム高梁2023」終了後、参加者が通う学校の先生から、「とても楽しかった」という参加者の声をご報告いただいています。何度もゲームジャム高梁に参加した学生さんが大きく成長したという感想もいただきました。大人や違う学校の学生たちといっしょにゲームを制作するという一つの目標に向けて共同作業をすることで、ゲームジャムは意欲的な参加者に大きく成長する機会を与えるようです。
「ゲームジャム高梁2024」は、今年(2024年)10月19日(土)、20日(日)に開催されます。ゲームジャム高梁2024参加のための事前勉強会(ここでテーマ発表予定です)は、9月22日(土)を予定しています。
興味を持ってくれたあなた!そう、あなたです。興味を持ってくれたあなた、申込ページから申し込んで参加しましょう!
8月5日、東京より飯田史雄先生を招いて、特別講演会を開きました。
飯田先生のすごいところは、アニメーター、イラストレーター、ゲームデザイナー、漫画家という複数の顔をいくつも使い分けていらっしゃることです。
例えば、これまでに関わった主な作品には以下のようなものがあります。
科学忍者隊ガッチャマン(動画)
超時空マクロス(原画)
王立宇宙軍オネアミスの翼(プロダクションデザイン、作監)
トップをねらえ!(原画)
リトルNEMO(劇場、原画)
ヤダモン(キャラクター、OP、ED、イラスト)
トップをねらえ!2(第2原画)
天空突破グレンラガン(原画)
エヴァンゲリヲン新劇場版:破(原画、イラスト)
宇宙戦艦ヤマト2199(作監協力)
同劇場 星巡る方舟(共同作監)
劇場版 美少女戦士セーラームーンEternal《前編》(原画)
終末のワルキューレ(Netflix、OP、総監督)
今回は、アニメスタジオへの就職にとても大切なスキル、「描画の線」について特にお話をしていただきました。
OHPを用いて、実際に描いてくださるので、学生らにはとても勉強になりました。
例えばこれは、「新世紀エヴァンゲリオン」に出て来る「綾波レイ」の頭部ですが、額の中央に寄せられた青い髪は、キャラクターデザイナーの貞本義行さんのアイデアによるものだそうで、それ以降レイ風の前髪をした美少女キャラがやたらに増えたのだとか。
いつも歯がゆく思うのですが、現場でどんなに活躍された先生に来ていただいても、著作権等の問題があって、手掛けた作品のオリジナル資料は勝手にはネット等で公開できないのです。
その代わりに学生らは、飯田先生がわざわざ東京から持参してきてくださった原画やイラストを直に見ることができて、大満足の様子でした。
実はこの飯田史雄先生には、秋学期から非常勤講師として「アニメーション基礎B」を担当していただく予定です。
具体的には、「猫振り向き」「蹴る」「煙」「犬の走り」「鳥の羽ばたき」などの動きをどうアニメーションで表現するかを教えて頂きます。
ただ、こうして言葉だけを並べてみると、何だか忍者の修行カリキュラムのようでもあります。
学生のみなさんは、ぜひとも「忍の一字」で修行に、いや勉学に励んでください!
先日、2024年秋卒業予定者の卒業研究発表会を行いました。
秋卒業ということで、対象は留学生になります。今回は、中国人学生5名がそれぞれの研究・制作の発表を行いました。
「アニメーション文化学科」には、数は多くありませんが、論文を書いて卒業をする学生たちもいます。
赤血球に白血球、それに血小板などが擬人化された体内細胞アニメには、何とも個性的なキャラ(いやキャラクターか?)が勢ぞろいなのです。
中には、来日初日の夜、滞在先のホテルで描いた自分の足(作品)を発表する学生もいました。
本人にとってこの足は、やっと日本にたどり着くことのできた足でしょうし、これから誇らしい気持ちで中国に帰ってゆく足でもあります。
卒業制作の作品の中に、どうしても入れておきたかったのでしょうね。
日本であれ、中国であれ、みなさんの今後の活躍を心より期待しております!
昨日(㋅18日)、中国からの黄岡師範学院研修団をお迎えしました。
コロナ禍後、これでもう二回目の来校となります。
学生たちにはアニメーション文化学科の特別授業として、前嶋先生の「彫塑」と冨田先生の「クリンナップ」を体験してもらうことになりました。
前嶋先生が用意した粘土を、学生一人ずつに渡していきます。
美術系の学生たちでも、粘土を使っての「彫塑」は初めての経験だったようで、とても喜んで取り組んでいました。
次に、冨田先生の「クリンナップ」です。
まず先生より、アニメ作画における「クリンナップ」とは第2原画の線をきれいにトレスする清書のこと、との説明がありました。
原画は結構ラフな線で描かれているので、その後の工程「仕上げ(ペイント)」の為にこうした清書作業がどうしても必要なのですね。
タブレットを使い、デジタルで絵を描くことに慣れている中国の学生さんには、トレース台やタップなど、何だか始めて見るものばかり・・・。
この穴の開いた紙はいったい何・・・などと、不思議そうな顔・顔・顔。
特別授業の後は、参加者全員に対して、河村学長の手から「修了証書」の授与がなされました。
日本語で書かれた「修了証書」でしたが、中国の方は漢字だけ見ればおおよその意味がもう分かるみたいですね。
今度はこちらから、黄岡師範学院を訪問することになるのかもしれません。
コロナ前から続いていた私たちの固い絆が、これからもずっと続いていくことを切に願っています。
週末には、関空から中国武漢に向かうとか。黄岡は、さらにずっとその先ですよね。
どうぞ皆さま、お気をつけてお帰りください!