「高梁の町とこころを回遊する-インターネット地図で回る七恵比寿とお寺の旅-」
2月16日、「第5回吉備国際大学地(知)の拠点シンポジウム」で、金叡媛(キムイェオン)先生と、3年生の阮騫(ゲンケン)さん、崔洪基(チェホンギ)くんの3人が、アニメーション文化学部が取り組んできた地域志向教育研究事業「高梁の町とこころを回遊する-インターネット地図で回る七恵比寿とお寺の旅-」について、発表しました。
高梁旧城下町地域とJR備中高梁駅周辺地域は、日本一高いところにある山城「備中松山城」の天空の城ブームや、カフェ併設の高梁市図書館の新設などで、注目を集めるようになっています。1周年を迎えた高梁市図書館は、1年間で延べ66万人の来館者を数え、所期目標の20万人を大きく超える人気を誇っています。
しかし、2016年度の高梁商工会議所と高梁城南高校の調査でも、お城と高梁市図書館・駅以外の城下町やJR備中高梁駅周辺地域を回遊する観光客・訪問客はあまり増えていないようです。
そこで、旧城下町とJR備中高梁駅周辺地域の魅力あるスポットを掘り起こし、地域住民や観光客・訪問客の回遊を促進することで、地域振興・地域活性化を実現するため、アニメーション文化学部・外国語学部・心理学部の先生方で、調査研究を進めてきました。
2016年度は、高梁旧城下町・駅周辺のカフェを調査して、その魅力を、学生(アニメーション文化学部2年(当時)丹下祐貴さん)のイラストや写真で紹介するとともに、位置情報システムを活用して、案内システムや宝探しなどのゲームが実現できないか検討しました。
本年度は、次のような調査や開発に取り組みました。
① 観光情報・地域情報掲載のインターネット地図とスポット案内システムの作成
② アレルギーおよび食のタブーに対応する食品ピクトグラムの開発
③ 地域の精神文化の再発見と見直し――「七恵比寿」と「寺院群、つまりお寺と高梁基督教会」の調査
学生もこの取り組みでは大活躍でした。
アニメーション文化学部の3年生の阮騫(ゲンケン)さんは、別記事でも紹介した食品ピクトグラムをデザインしてくれました。
3年生の小林亮介くんは、高梁旧城下町の7つのえびす神社「七恵比寿」を回遊するため、ジグソーパズルを活用するというユニークなアイデアを出してくれました。
2年生の崔洪基(チェホンギ)くんは、七恵比寿を実際にめぐって、地図を作成してくれるとともに、ジグソーパズルで使う恵比寿様(「えびすさま・白」と「えびすさま・黒」)を描いてくれました。筋肉ムキムキのえびす様はかわいいだけでなく、ちょっとおもしろいと思いませんか??
1年生の小仙菜摘さんは、教員と一緒にお寺と教会を回って、学生の視点からいろいろな質問をしてくれました。高梁市にはとても立派なお寺と、岡山県のキリスト教の導入と近代化の先駆けとなった教会があります。このお寺と教会の歴史と文化が若い世代が受けとめて、新しい文化をつくりあげていくことを期待したいものです。
2月16日の会場では、3人が息のあった発表をしてくれました。金(キム)先生の指導で、学生たちはだいぶ熱心に練習したようです。
タイトルページ「高梁の町とこころを回遊する-インターネット地図で回る七恵比寿とお寺の旅-」
グーグルマップを利用した観光地図。観光客や町の人が情報を持ち寄って観光地図を作成できる。
えびす様ジグソーパズル。駅または観光駐車場からスタートして、えびす神社を回り、えびす様のピースを集めて、観光案内所へ。
七恵比寿ジグソーパズルラリーのチラシ。9つのピースを集めると、何かいいことが起こる?!
高梁市は南あわじ市と、恵比寿様→全国のえびす宮の総本社・西宮神社&百太夫神社→人形浄瑠璃(淡路人形浄瑠璃)といった恵比寿様の縁でつながっているかも。
本調査研究は、文化財学部守安収教授(現、岡山県立美術館長)が取組代表を務める地(知)の拠点整備事業「高梁市の仏画ー涅槃図を中心にー悉皆調査」の調査成果を活用して実現しました。
現在報告書をまとめています。3月には、この取組内容について、総合的に報告ができるものと思います。
文責:お