本日、中国の「成都青蘇職業中専」に対して、今年初めてのオンライン授業を行いました。
本来なら先方からこちらに研修団を迎えて、キャンパス見学等をしていただくはずだったのですが、コロナのために今はそれが出来ず、その代替として考えられたのがこのオンライン授業なのです。
双方の代表者(こちらは井勝副学長)による挨拶の後、講義が始められましたが、授業を担当するのは今回もアニメーション文化学科の佐々木洋先生です。
今回のテーマは、「オリジナリティについて」です。
現場で実践的な仕事をしてきた佐々木先生にとって、100%完全なオリジナル作品いうのはありえないことなのだそうです。
というのも、常に誰かの影響を受け、誰かを参考にしながら作り続けてきたからです。
そこでのキーワードは、「換骨奪胎」、あるいは、「古い革袋に新しい酒を入れろ」です。
これは、人物イラストで有名な米山舞という人の作品から(勝手に掲示は出来ません)、その構図だけを借用してまったく別なものに仕上げたものです。
業界においては、こうした高度に抽象化された盗用は、何ら問題にならないのだそうです。
これも目に付いた他人の作品から、色のバランスぐあいだけを借用したものです。
しかも、元は人物を描いていたものが、こちらでは何だか近代的で不思議な構造体になっています。
器だけ借りれば、中に何を入れるかは、完全に制作者の自由です。
そこにおいてこそ、制作者は自らのオリジナリティを見せるべきなのです。
制作現場で何十年も作品を作り続けてきた人が、どうやってそれを可能としてきたかを、今日の授業は実演を通して直に見せてくれたのでした。
「自分には何もない」と思い悩んでいる人は(きっと多いはず!)、ぜひ参考にしてみてください。