2011 年 3 月 28 日

Findlay大学の留学日記(11) “大震災のこと”

私は東日本大震災のニュースを、
旅行先のワシントンDCのホテルで知りました。
最初はまさか日本の地震と津波のニュースだと
信じられなかったし、言葉を失いました。

アメリカのニュースは、
主に津波が建物を破壊している様子と、
ハワイやアメリカの西海岸にも
津波がくるかもしれないということで、
ハワイと西海岸の様子が中継されていました。

今回の地震があった後、
約1週間はアメリカのどのニュースを見ても、
地震に関係するニュースがHead lineとして長時間放送されていました。

また、どのテレビ(人が多く集まるところのテレビ)も、
地震のニュースが流れていました。
特に週の後半からは、原発のニュースが度々繰り返されていました。
今は日本の地震に関するニュースはたぶんニュース全体の半分以下くらいになっています。

アメリカのニュースでは、地震と津波の被害の様子、
原発事故のニュースは度々目にしましたが、
私はそれより被災した人たちの様子や救出活動の様子が気になりました。

今回、日本で起きた地震と津波のニュースは、アメリカだけではなく、
世界中の人たちに大きなショックを与えたと思います。
それは、地震があった直後から、Facebookにたくさんの国の人たちから、
私達日本人の家族や友達の安否を心配してくれるメッセージや、
被害の様子を伝える動画のアップロードが後を絶たないほどあったからです。

友人の何人かは、直接私の携帯電話に電話をかけてきてくれました。
旅行から帰ってきたときも、ハウスメイトも友達もみんな、
「旅行はどうだった?」より先に、「あなたの家族と友人はみんな大丈夫?」と聞いてくれましたし、
みんな日本のために祈りを捧げるからね”Pray for Japan!”と言ってくれました。

大学の先生も声をかけてくれたり、メールをくれたり、
日本が心配なら授業を休んで、家で情報収集してもいいし、
カウンセリングに行ってもいいとまで言ってくれました。
それに、いつもはHi!しか言ったことがなかった友達も声をかけてくれました。
本当にみんなの優しさを実感しています。

あるアメリカ人の友達が、Facebookにこんなメッセージを書いてくれました。

こないだの地震、津波の物語はアメリカでもよく流れている・・・ 
生残者は自分も被害を受けていることにかかわらず、隣の人々の世話をしているとか。

16年前の阪神大震災と同じように、惨い災害の破滅から美しいものが発生しているのだ。
日本は不死鳥のようにまた灰から生まれ出すし、その新生日本は絶対に以前より輝かしいものになる!

だからみんながんばれ!!

また、ある日本語を勉強している学生は、
千羽鶴を折って、地震の被害を受けた千葉科学大学
(千葉科学大学とはKake-Bridge Programでつながっているので)に送りたいと考えて、
今何人かで毎日鶴を折っています。それでもなかなか大変なので、
学生全員にメールを送って協力を求めています。
きっとたくさんの人たちが協力してくれると思っています。
同じく、大学としても義援金を集めています。
今600$集まったと聞きました。目標は2500$だそうです。

こんな風に、世界中の人たちが私たちのことを
いろいろな形で援助し、勇気づけてくれています!!

また、今回の地震をきっかけに、
「地震にあったらまず何をすればいいの?、どこに逃げるのが安全なの?」
「地震と津波は同じタイミングで来るの?」
「地震に関する最新のニュースを教えて」など、
地震について質問されることもありました。

また、日本人同士でこんな話をしました。「今私たちに何ができるか」

いろいろ話した結果、
「いつでも助けに行けるように、今は元気でいよう!」ということになりました。
当たり前のようなことかもしれませんけど、大事なことですよね。

今回の地震でも、NZで起こった地震でも、
私はやっぱりNurseのことを考えずにはいられませんでした。

もし自分が仕事中に被災したらどうするか。
仕事を投げ出して、家族の安否を確認しに行くか?

私だったら、きっと心の中ではそうしたいと願うけれど、
患者さんを目の前にしたら、感情を殺して、働くんだろうなと思います。
でも本当に働けるかは分かりません。

でも、そうやって働ける人を世間ではProfessionalというのでしょうか。
私たちは後輩に、「Professionalとして働きなさい」と言うことがあるけれど、
今回のような特殊な状況でも感情をコントロールして働かないといけないとしたら、
なんてこの仕事は大変なんだろうと思ってしまいます。

また、もし休みの日だったら、まず家族の安否を確認して、それから病院に行くか。

そうなったとき、もし家族の誰かの安否が不明だったら、
家族の安否が分かるまで仕事に行かないのか。
そうしたら、家族を心配しながら働き詰めているだろう仲間たちのことをどう考えるのか。

自分も被災者でありながら、救命活動をしている人たち、
例えば医療スタッフも警察官もみんな家族がいて、
中には家族や家を失った人もいます。
でも、自分は働かないといけない。

そんなとき、原動力になるのは、団結力だと思います。

自分だけが大変なんじゃない、みんな悲しみを抱えながら頑張っている、みんなで乗り越えよう!!
っていう気持ちで頑張れるんだと思います。

これは、がんセンターの患者さんたちから教えてもらいました。
がんセンターは、患者の90%以上ががん患者です。
日々、治療の効果や再発との不安と闘いながらも、
前を向いて頑張れるのは、一緒に病気と闘っている仲間がいるからです。
一種の団結力ですね。同じことが新人看護師にも言えますね。
同期と励まし合って頑張って仕事を続けられたって。

だからきっと、私が被災地のNurseと同じ立場になっても、
仲間がいれば団結力で乗り越えられると思います!!

話は長くなりますが、NZの地震も胸が痛みました。
高い志を持って、国際的に活躍しようとしたベテランの医療従事者が、
自然災害とはいえ、その志半ばで命を落とすことは、本当に悲しいことです。
私はその人たちの分まで一生懸命勉強しようと思います!!

もうアメリカでの生活も残りわずかになりました。
本当はまだここに残って勉強したいのですが、
残念ながら残れないので、残された時間を大切にして、
吸収できるものは全部吸収して、事故やけがに気をつけて、
無事に日本に帰ってきたいと思います。

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