5月17日から21日まで、第84回日本産業衛生学会が東京で開催され、行ってきた。
84回というとかなりの歴史があることになるが、
記念すべき第1回は、昭和4年、倉敷で開催されている。
その時の学会長は、倉敷労働科学研究所長の暉峻義等である。
ちなみに、この研究所は紡績女工の労働条件の改善を目的に、
大原孫三郎によって倉敷紡績の工場内に創設された。
現在、神奈川県にある「労働科学研究所」の前身である。
すなわち、倉敷、わが国の産業衛生学の発祥の地である。
それはともかく、この学会には産業保健師をしている本学の卒業生も加入しており、
彼女たちと会えるのも楽しみの1つである。
個人的に最も興味深かったのは、
「医療従事者の健康的な働き方を目指して~看護師の過重労働・シフトワーク対策を中心に~」
と題するシンポジウムであった。
主に夜勤負担の軽減をテーマに議論された。
看護協会では、2008 年に2 人の20 代看護師が過労死と認定されたことを契機として、
「シフトワーク・ガイドライン(仮称)」の策定に着手していることが紹介された。
これは、単に看護師の健康やワーク・ライフ・バランスの改善だけでなく、
医療ミスの減少から、患者の安心・安全にも直結する。
その意味では医師にも必要である。
しかし、ガイドラインができたとしても、法制化や診療報酬への反映などについては、
利害関係者が多く、実現には多くの壁があるようである。
ところで、東京は節電中と言うことで、
駅などのエスカレーターにも止まっているものが多く、
照明もかなり消灯されていた。
それでも、あまり不便とは感じなかったのは、
これまでの方がむしろ「異常に便利」だったのではないだろうか。
これをきっかけに「エコ」が進むとすれば,それはそれで良いことだろう。
夜には東京近辺にいる5人の卒業生と会うことができた。
5人の内訳は、養護教諭2名、保健師2名、看護師1名であったが、
初対面の者もおり、久しぶりの再会を喜び合った。
尾瀬