4月4日、入学宣誓式がありました。新入生のみなさん、ご入学おめでとうございます。
今年も残念ながらコロナのために、学科ごとに分かれての分散開催となりました
この入学式に参加できなかった海外の新入生たちもいるのですが、きっと6月ぐらいまでには順次入国できるのではないかと思っているところです。
唐突ですが、みなさんはアカデミー賞を受賞した映画「ドライブ・マイ・カー」は、もうご覧になりましたか。映画は、ドライバーの渡利みさきが何故か韓国で暮らしているシーンで終わるのですが、私には最初その理由がよくわかりませんでした。
でも、それを読み解く鍵は、その直前のシーンにあるように、今は思うのです(以下、個人的な解釈)。そこではみさきは、多言語と手話で構成された劇の中で、主人公の家福悠介がゆっくりと生まれ変わる様子を、客席からじっと見ているのでした。
きっとみさきは、今度は自分も舞台上と同じ空間に身を置きたい、と思ったのではないでしょうか。それが、彼女の場合は異国の韓国だったのです。無口で無表情な彼女は、見知らぬ国で新しい言葉と出会い、新鮮な身振りや動作を体験しながら、自分を見つめ直していくのだと思います。
考えてみれば、大学に入学するというのも、異国で暮らし始めるようなものではありませんか。人が話す新しい言葉(たとえそれが日本語であっても)にきっと出会うでしょうし、人との交わりの中で新しい表情や身体の動きを身に着けることにもなるでしょう。言葉と身体の動きを学び直し、新しい「演技」の中に身を置くことは、きっと自分探しにもつながることだと思います。
さあ、桜咲く中を、「ドライブ・ユア・カー!」