2017 年 7 月 13 日

ナルトオレンジの花の組織解析

今年の5月、念願のナルトオレンジの花が咲きました。

その後、無事にスクスクと成長し、今ではピンポン球

ぐらいに成長しているのですが、そういえばナルトの

花の内部構造はどうなっているんだろう?と疑問に

思い、学生と組織解析を行いました。

 

花びらを一枚めくると、花の内部構造が良く分かります。

外側から、ガク、花弁、雄しべ、雌しべの順番に並んで、

雌しべの根元の部分がぷくっと膨らんでいて、あぁここが

将来オレンジになる部分なんだろうな、という匂いが

プンプンします。気になるので、雌しべを半分に切って

みると・・・

 

雌しべの中にはいくつかの空洞があって、その中に

何やら小さな塊が複数見受けられます。もしかしたら

これは将来種になる部分かなぁ?と思ってまじまじと

観察してみたのですが、色が付いていないのでよく

分かりません。そこで、FAAで固定してミクロトーム

という装置で8μmの切片を作成し、ヘマトキシリン

染色を行いました。

 

作った組織切片はこういう顕微鏡で観察します。

 

顕微鏡で観察すると、空洞内部の丸い塊の中に何やら

さらに細かい組織があるようです。

 

さらに倍率を上げると、卵細胞のようなものを発見

したので、どうやらこれは胚嚢のようです。という

ことは、やはりこれは将来種になる部分のようですね。

 

外から見てもよく分からない組織でも、切片を作ると

内部構造が非常によく理解できます。こういう調査を

ひとつひとつ積み重ねていって、品種改良に役立つ

情報を集めていければと思います。

 

ナルトオレンジの成長過程は今年の年度末に特設ページ

「ナルトオレンジの世界」でまとめてご紹介しようと

思いますので、楽しみに待っていて下さい!

良ければこちらのHPもご覧下さいね。

本日も閲覧有難うございます!

 

T.Y

カテゴリー: 研究