遅れて始まった春学期ですが、
8月5日に無事に全14回の講義が終了しました。
(通常は90分講義を全15回ですが、
今年の春学期は100分講義が全14回になりました。)
未曽有の事態の中での慣れないオンライン講義ということで、
通信機器の設定に始まり、受講環境の整備など、
学生の皆さんも最初はさぞ心細い思いをしたと思います。
一方、教員はどんな状況だったのかというと。
全国の大学でオンラインでの開講が決定したものの、
「オンライン講義」に長けた先生はどこの大学にもほとんどいない上、
大学によって用いる講義システムもバラバラ。
吉備国際大学ではMicrosoft Teamsを使用することになりましたが、
Teamsのマニュアルもほとんど存在しなかったため、
同じシステムを使っているさまざまな大学の先生方で意見交換しつつ、
暗中模索・右往左往しながらの準備となりました。
いざ授業が始まっても、
学生の誰もいない一人の部屋で、
自分のパソコンに向かって話すのはとても不安でした。
Teamsは「双方向システム」なので、
学生の顔も見ることが出来るし、
学生の声も聞けるはずなのですが、
通信量の関係で全てオフにしてもらったため、
誰の顔も見えず、誰の声も聞こえなかったためです。
「本当に自分の声が聞こえているのか?」
「画面は見えているのか?」
などなど、不安は尽きず、
始まってから数回は必ず
「聞こえている? 聞こえていたら誰か返事して」
と切羽詰まったお願いをしていました。
全14回を終えて振り返ってみると、
春学期は極めて出席率が高かったことに気づきます。
学生の皆さんからすれば、
キャンパスに行かれず、同級生と話も出来ず、
いつ終息するのかもわからない新型コロナウィルスの脅威を感じながらも、
それでも勉強できる機会を決して無駄にさせたくないと感じたのかもしれません。
例えば64人が受講している「遺伝学」の場合、
全14回中、出席率が95%を下回ったのは1回だけ。
地域創成農学科の1年生に絞ると、
全14回でたった1人が1回休んだだけで、
残りは全員が100%の出席率でした。
同様に農学部で最も受講者が多い「生物の進化と多様性」(67人)でも
出席率が95%を下回ったことはほとんどなく、
毎回出される課題も熱心な回答が見られました。
教員としては、
画面の向こうの学生の状況がわからず、
実は聞いていないんじゃないか、
寝ているのではないか、
スイッチだけオンにしてゲームをしているのではないか、
・・・などなどネガティブなことをイメージしてしまっていたのですけれども・・・。
実際は、みんな慣れない環境で頑張って勉強に取り組んでいたことを、
私たちはもっと誇っていいのではないかと思います。
EH