2015 年 6 月 17 日

地域創成農学部の金沢和樹

金沢和樹は、栄養化学、食品化学、食品加工化学、食の安全学などを、学生さんたちと一緒に、次のような考えに基づいて進めています。
私たちヒトは食物を食べることで生きています。それは、食物をからだの中で分解して、体を動かすエネルギーに換え、脳を動かすエネルギーにもし、また体をつく作り替えるエネルギーとしても使っています。それだけではありません。その食物を材料にして体を毎日作り替えているのです。と、いうことは、私たちが毎日何を食べるかによって、体のはたらきが大きく影響を受けます。脳のはたらきも、性格も影響を受けると言われています。
そこで、食べ物の中に何が入っているかを学生さんたちと調べています(写真1と2)。

食べ物に入っているのは、タンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルだけではありません。私たちの体のはたらきを大きく変え、健康を維持し、病気を予防する成分も入っています。約8000種類のポリフェノール、約25,000種類のカロテノイドやキサントフィル、約12,000種類のアルカロイド、そして数百万種類の食物繊維です。これらは一つの種類の食物にすべてが一度に入っているのでありません。その内の何種類ずつかが入っており、植物の種類によって入っている成分が異なります。つまり、私たちが毎日どのような野菜や果物を食べるのかによって、私たちの体のはたらきと健康状態が決まります。ですから、何が入っているかを化学的に学生さんたちと調べています。

 

私たちが毎日食べている食物はすべて生き物です。生き物は捨てるところがありません。色々なことにすべてが利用できます。そこで、タマネギの皮を利用して化粧品を開発しました。タマネギの皮にはケルセチンというポリフェノールが豊富に入っており、これを用いて作ったローションや石けんは、肌荒れ、ニキビを抑えますので、とくに若い女性が好んで用いています。吉備国際大学のHPの中程にある「吉備大化粧品」というところをクリックしていただきましたら詳細を見ていただけます(ケルセアの写真)。

食物には健康維持に好ましい色々な成分が含まれています。黒豆は大豆の一種ですが、黒い色はプロアントシアニンというポリフェノールで、黄色の大豆よりも色々な興味深い健康維持のはたらきをします。金沢和樹は兵庫県の、「丹波黒振興協会」の会長を務めております。ヨーロッパや台湾・香港の方々がこの丹波黒に強い関心を持っておられますので、今回、ミラノ万博(2015年5月1日から10月31日)に出品いたします(PDF)。

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