いよいよ、平成22年2月22日月曜日から 基礎看護実習がスタートしました。
本学2年生が岡山大学病院で3週間の臨地実習を行わさせて頂きます。
病院での実習は、ほぼ初めてです。
基礎看護実習においては1週目に、
☆病院の構造を知り、
患者様がどのような環境で入院生活をすごされているのか理解すること
☆看護師の仕事内容を知り、
看護師の役割を理解すること
☆病院で患者様がどのように過ごされているかを知ること
以上の3点が目標となります。
学校の授業で学んだことを実際の病院で体験したり実感することで、
看護師としての知識を深めていきます。
1週目の実習としては、 看護師に一日中影のように張り付いて行うシャドウ実習や

「シャドウ実習」
病棟の環境を知るために 照度計や騒音計、メジャーなどを使って病院の環境を観察します。

「計測風景」
教科書で学んだことが実際に患者様に実施されていたり、
病院の構造が教科書に書いてある通りだったり・・・
学生は学校の授業と臨地実習を通して看護師に必要な基礎看護力を養っていきます。
まだ、始まったばかりです!!

先日、本学卒業生で、産業保健師をしている4人が集まり、
産業保健の授業担当の私も招待されました。
4人の内1人は現在、関東地方の大手企業で保健師をしていますが、
たまたま帰郷したのを機に、岡山近辺で働いている保健師に呼びかけたものです。
もちろんこれですべてというわけではありませんが、学年を超えて集まったので、
初対面の人もあって、有意義だったと思います。
4人のうち3人は、造船・重機系の会社の衛生管理者を兼ね、
様々な「有害業務」に従事する労働者を抱えています。
1人はいわば「保健サービス会社」に所属し、契約事業所の社員に保健指導を行っています。
話は、一般健診・特殊健診・特定健診(いわゆるメタボ健診)の方法や、
事後指導の方法など、「保健師らしい?」悩み、職場巡視や環境測定・評価に関すること、
安全衛生委員会での保健師(衛生管理者)の役割・立場など、広範に及びました。
衛生管理のやり方は事業所によって様々だと、あらためて知り、私にとっても勉強になりました。
また、「保健師助産師看護師法」改正に伴う保健師教育の大幅な変化を間近にして、
保健師の教育や実習などにも話が及び,時間の経つのも忘れるほど,大いに盛り上がりました。
先輩がいないところに1人だけ配属されると、相談相手はおらず、
企業秘密に関わることは、外部の人には相談できないし、
といった病院の看護師では考えられないような問題もあげられました。
何かが決まったとかいうことはありませんでしたが、これを出発点に、
情報交換の場として発展して行けばよいと考えています。将来は共同研究も・・・
などと夢が広がります。
卒業生の皆さんの中で,産業保健に従事している方,是非ご連絡ください。
看護学科 尾瀬
2日目の予定は
午前中・午後を通して、透析室にて透析看護について学びます。
1日目の午前中と同じように
看護師さん・臨床工学技師さんと学生は1対1で指導を受けます。
1日目と違い、学生は看護師さんや臨床工学技師さんと実際に看護を行います。
血圧計を巻かせていただいたり、
パソコン管理の看護記録も見せていただきます。
看護師さんの指導のもと記録の記入などもさせていただきます。
また、午前中は10時から30分栄養士さん、
午後は3時から30分ソーシャルワーカーさんから講義を受けました。
最後に病院の見学で終了です。
透析室の実習では、実際に患者様にふれあい、
透析中の患者様に話をさせていただきます。
血液透析は体で行われている体液の調整を4時間で行います。
個人差は大きいのですが、多かれ少なかれ体に負担がかかります。
そのような体のしんどい時に、
患者様は学生に自分の透析についての思いや生活のことなど、
色々なことを話してくださいます。
本当に貴重な体験です。
栄養士さんからは血液透析をする上で大事な栄養の話をしてくださいました。
その中で一番印象的だったのが、
「食べ過ぎてはいけませんが、血液透析をしているからといって、
絶対に食べてはいけないものはないんです。
指導のときは食べてはいけないものを言うよりも、
どうしたら食べれるかを指導していきたい。」
と説明してくださいました。
ソーシャルワーカーさんの話では
医療制度におけるお金の話を聞きました。
患者様にとっては生活がかかっています。
医療制度について私達も知っていないと
患者様の質問に答えることが出来ません。
分かりやすく講義していただきました。
透析室では最後に看護師さん・臨床工学技師さんと一緒にプライミングを実施しました。
プライミングとは「ダイアライザーと血液回路を組み立て、
生理食塩水で洗浄・充填すること」です。
ダイアライザーは腎臓で行う濾過を実際に行う医療機器です。
血液回路は血液をダイアライザーに通す回路です。

2日間、患者様・重井医学研究所附属病院のスタッフの方々等に支えられ、
多くの学びを得ることが出来ました。

2月16,17日の2日間にわたって、「エコアクション21」現地審査が行われ、
16日の午後、看護学科も実習室を中心に審査を受けました。
審査内容についてはここでは触れませんが、審査人の方のお話の中で、
私の印象に残ったことを紹介しておきます。
医療機関で省エネを実施する場合、最も重要なのは看護師であり、
看護部の組織的取り組みです。
例えば,手術室などに冷暖房を入れるタイミング、切るタイミングが少しずれるだけでも、
消費電力は大きく違います。
当然ながら、二酸化炭素排出量も違ってきます。
実際にそれを行うのは多くの場合看護師でしょうから、
看護部としての主体的・組織的取り組みが求められるわけです。
事務部門が主体で行っているところでは、成果が上がっていないということでした。
そうしたことも、看護教育の中で取り上げてほしいというのが審査人の方のご意見で、
なるほどと思いました。
今、このような教育を全くやっていないわけではありませんが、
少し力を入れて意識的にやっておけば、評価が上がったかも知れません。
卒業生の皆さんもこのような観点から、
日常業務を見直していただければありがたいと思います。
看護学科長 尾瀬
透析実習は重井医学研究所附属病院にて実施させていただいています。
☆透析実習1日目のスケジュール☆
9時~12時 : シャドウ実習(看護師さん・臨床工学技師さんと学生が1対1となり指導して下さいます)
13時~16時 : 臨床工学技師さんと看護師さんによる講義
学生のほとんどが血液透析を初めて目にします。
事前に腎臓の解剖生理、患者様に多い基礎疾患、透析について勉強してきます。
これらの自主学習に対し、実際の現場を通して深めていきます。

講義では臨床工学技師さんより
腎臓の働きから、
透析が腎臓の機能の一部を代わりに行っていること、
腎臓の機能の中でも透析では代わりができない働きがあること、
など自己学習したことを、より一層分かりやすく講義してくださいました。
また、透析の原理について目で確かめられるよう、
実際に機械を使いながら分かりやすく教えてくださいました。

看護師さんの講義では、
透析室での看護師の仕事について
患者さんに対してどのような指導をしていくのか?
患者さんの抱える不安や、透析により起こる症状の説明や
その症状に対するケアの方法など
具体的な看護について学ぶことが出来ました。
次回、透析実習2日目に続きます。

成人看護実習Ⅰ婦人科病棟の3週間の病棟実習を終えました。
たくさんの学びがありましたね。
大変だったこともありますが、それ以上によい学びとなりました。
手術を受ける患者さんと家族の心理を理解するための看護や、
手術療法の理解と看護実践に必要な解剖・生理学の知識、
術後合併症予防のための看護…、
これらは,周手術期看護にとって大切ですね。
患者さんと過ごす時間の中で、大切なことをたくさん感じることができ、
実習を通して、さまざまなことを学びました。
反省会では、婦人科病棟師長さんにも参加していただき、貴重なご意見をいただきました。
また、スタッフの皆様にも臨床の現場で丁寧にご指導いただきました。
実習で学んだことを活かして、頑張ります。
ありがとうございました。

成人看護実習Ⅱは慢性期看護ということで、
透析室に実習に行かせて頂いています。
透析の説明を簡単にします。
私たち人間は、腎臓で体に不要なものを濾過し、
尿として排出します。
人間の体の成分は大体一定ですが、
それは腎臓が不要なもの(とりすぎた塩分や糖分、ミネラル等)を
尿と一緒に体外に排出するからです。
また、飲んだ水分も尿として排出されます。
私たちが一定の体重を保てているのも腎臓のお陰です。
(食べすぎで体重が増えるのは腎臓の機能とは関係ありません!)
以上のように腎臓は私たちが生きるうえで重要な働きを担っています。

その腎臓が何らかの原因により、働かなくなった場合・・・
体には老廃物がたまり、飲んだ水分は体から排出されません。
老廃物は血液中にもたくさん残り、血をどろどろにします。
水分は細胞の中にたまり、体中がむくみます。
内臓がむくむと、内臓の機能が衰えていきます。
腎臓って大事ですね!!
透析は腎臓機能の代わりをする治療法です。
腎臓が働かなくなると、透析をして、腎臓の機能を補います。
透析にはいろいろ種類がありますが、一番多い治療法が血液透析です。
血液透析とは血液を一旦体外に取り出し、腎臓の代わりに血液中の水分と
老廃物を取り除き、体に必要なものは取り入れ、再び体に戻していきます。

本来毎日働く腎臓の代わりに透析を週3回、3〜4時間行います。
そして、透析をはじめると一生透析を行わなければなりません。
今回、私たちは重井医学研究所附属病院 血液浄化療法センターに
2日間実習に行かせていただきました。
1日目の午前中は透析センターで看護師さんに同行し、
透析がどのように行われているのかを見学させていただきました。
午後からは臨床工学技師さん、看護師さんに講義していただきました。
1日目の様子は次回更新します。

看護師国家試験が2月21日(日)
保健師国家試験が2月19日(金)です。
後、1ヶ月をきりました!
4年生たちは
平日、学校が国試対策として行っている授業に参加し、
土・日の休日、学校に登校し、それぞれ国試に向けて勉強しています。

後、約3週間!!




成人看護ⅠⅡ合同でカンファレンスを開催しました。
それぞれの領域で、実習を通して学んだことを発表し、意見交換します。
今回は3テーマ。

この3つの解剖生理、病態生理、看護について
それぞれ創意工夫した点を交えながらカンファレンスを行いました。
今回のテーマである心室頻拍について学習した内容の一部を少し内容を紹介します。
心室頻拍とは心臓の疾患です。
心室頻拍は、簡単にいうと心室内で異常な電気刺激が発生し、
それが心室内でぐるぐると回転して起こる不正脈で、
1分間に100回以上の拍動で3拍以上続くものをいいます。
また心不全の引き金になることもあります。これを治療するための機械にICDがあります。
植込み型除細動器(ICD)は、
生命に関わる不整脈を治療するための体内植え込み型の治療装置です。
ICDは発作を予防するものではなく、
発作が起きてしまった時に最悪の事態を招かないようにするためのものです。
また、ICDはペースメーカ機能も備えており、徐脈にも対応することができます。
ICDに内蔵された精巧なコンピュータは
絶えず心臓の動きを見張っており(休まずみはっているんですね!働き者です。)、
頻脈があれば、その頻脈が即座に治療を要する致死性のものであるかどうか
を設定された様々な診断基準にもとづいて判断します。
診断結果によって、
あらかじめプログラミングされた電気刺激による治療を行う場合もあれば、
経過を観察するのみとなる場合もあります。(とっても賢い機械ですね!)
また、徐脈であればペースメーカ機能が作動し、
心拍数が一定以下にならないよう電気刺激を送出して心臓を拍動させます。

<合同カンファレンスの風景>
「こんな工夫をしたら患者さんにとっていいのでは…」
「こういう考え方もできますね…!」「そのときの患者さんはどうでしたか」
三人寄れば文殊の知恵。これだけ集まれば…! バッチリ!?
みんなでディスカッションすると色々な意見やアイデアが生まれ、
よい学びとなりました。
頑張りましたね!
今日は実習先に卒業生がたずねてきてくれました!



(写真左) 阪大の山田真代です☆
みなさん風邪に気をつけて頑張ってください★
(写真右)広大の前田勝雄です。
みなさんがんばってください!