本学教員の竹林崇准教授が9月10日に神奈川県北里大学にて行われた第12回北里学会にて、北里大学教授高橋香代子先生と東京工科大学准教授友利幸之介先生と共に150名を超える参加者に対し、「どうなる?どうする?これからの作業療法」という議題にて、シンポジストとして登壇しました。
シンポジウムではそれぞれが今まで行ってきた研究の観点から、今後の作業療法の行く先を語るというものでした。竹林准教授は「脳卒中後に起こる上肢麻痺の治療」を研究題目にあげており、これまでも多くの研究結果を国内外に公表しています。それらの中でも今回は「脳卒中後の上肢麻痺に対するロボットと作業療法士の役割」といった観点から作業療法の未来を語るといった趣旨の発表を行いました。
発表の概要としては、近年の様々な研究で上肢麻痺を回復させるためには、多くの練習量(1日0.5から6時間)が必要です。しかし、本邦の作業療法士は多くの場合、1日0.3から1時間の練習しか提供できていません。そこで、ロボットに作業療法における上肢麻痺に対する練習の一部を担わせ、ロボットが改善させた麻痺手の機能を「実生活における作業の実現」に転移する部分に作業療法士が従事し、対象者の幸せにつなげて行くことを自身の研究結果から提案しました。
作業療法もこういった新たな治療パラダイムの提案により、日々進化しています。当大学作業療法学会には、作業療法をイノベーションする若手教員が多数所属しており、世間に影響力のある研究や論文執筆に精を出しています。最先端の教育には、最先端の研究活動は必須です。当学科は、今後の「新たな」作業療法を創る活動にも力を入れています。