9月29-30日に行われた表記学会にて、当大学竹林崇准教授が「市中に暮らす痙縮者へのボツリヌス治療を活かす他職種協働」というシンポジウムにて、「ボツリヌスA型施注後の多角的アプローチの効果」という題目で招聘・発表をしました。「ボツリヌス毒素??」と一般の方には馴染みのない言葉だと思います。ボツリヌス毒素とは、美容業界でもよく使われる筋弛緩剤です(皺とりなどに使われます)。ただし、脳卒中後の「麻痺・痙縮」の治療にも最近ではよく使われる薬剤です。
「ん?痙縮って?」となる方も多いかもしれませんが(おそらく3年生以上の学生さんは本学の授業で学んでいるはずです)、脳卒中後に手や足の筋肉が強く張ってしまい硬くなってしまう状態です。竹林准教授の研究グループはこの薬剤と上肢装具、そして「作業療法における上肢アプローチ(CI療法)」を併用して、上肢の麻痺を軽減し、麻痺手を使い、「対象者の方の意味のある作業の実現」について、取り組み成果を上げています。
本学会シンポジウムでは今までの成果について様々な知見を、神経内科医師、脳外科医師、リハビリテーション科医師、理学・作業療法士、看護師、義肢装具士と言った参加者、約200名に対して、講演をしました。これらの発表の一部は、日本語論文、英語論文にまとめられています。そのうちの一つ、アメリカの科学雑誌にも掲載されたものを以下に示します。ご興味のある学生さんは、ぜひ、目を通して見てくださいね。
Takebayashi, Takashi, et al. “Therapeutic synergism in the treatment of post-stroke arm paresis utilizing botulinum toxin, robotic therapy, and constraint-induced movement therapy.” PM&R 6.11 (2014): 1054-1058.