2022 年 10 月 19 日

10月着任、冨田聡先生の「教員インタビュー」

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秋学期から、アニメーション文化学科の専任教員となった冨田聡准教授のプロフィールが、インタビュー形式で紹介されています。
場所は、学科HPの「教員インタビュー」のコーナーです。

ここで、冨田先生の略歴を極々簡単に紹介しておきます。

 東京芸術大学に入学し、大学院修士を修了後、
 都内の大手専門学校でアニメのためのデッサンや作画を教える。
 これまでに、多くの人材を人気アニメ企業に就職させている。

将来は東京のアニメスタジオに就職したいと思っている人は、冨田先生の下でその可能性をつかんでみませんか。

冨田聡先生の「教員インタビュー」は、こちらから。

「教員インタビュー」には他の教員の紹介もありますので、そちらもぜひご覧になってください。

アニメの先生って、どんな人が、どんなことを教えているのか、興味ありませんか?

2022 年 10 月 6 日

「学生ギャラリー」 イラスト部門を最新作に更新

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アニメーション文化学科では、学生作品を学科HP内の「学生ギャラリー」にて、広く公開しています。

今回は、その中のイラストレーション部門を全面的に更新致しました。
今の在学生がどのようなものを描いているのか、そのモチーフや手法について、こちらからご自分の目で見ていただければと思います。

サムネイルの縦横比が多少不自然なものもありますが(それは今後修正致します)、個々の画像をクリックしていただければ、オリジナル作品の正確な拡大版が閲覧可能となります。

今後も区切りごとに「学生ギャラリー」を更新していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い致します。

アニメーション文化学科HPへは、こちらから。

直接「学生ギャラリー」へは、こちらから。

2022 年 10 月 3 日

秋季入学宣誓式 と 愛車は〇〇〇〇

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10月1日、秋入学の留学生を迎える入学宣誓式がありました。

アニメーション文化学科では、今回は4名の正規入学生を迎えました。
実は、来年度本学科への入学を希望する海外の科目等履修がこれとは別に複数名いるのですが、残念なことにコロナせいで入国は10月末になりそうです。

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新しく入ってきたのは学生だけではなく、教員仲間にもいました。
10月よりアニメーション文化学科の専任教員として一緒に仕事をすることになった、冨田聡准教授です。

この日の在学生オリエンテーションでは、全学年で自己紹介だけでなく、アニメスタジオに就職するための心構えと具体的な準備について、お話をしていただきました。

これまで東京の専門学校でずっとアニメーションを教えていらっしゃったので、首都圏のアニメスタジオへの学生の就職に関しては、とてもすばらしい実績をお持ちの方なのです。

そのことがわかると学生たちは、食い入るような眼差しで冨田先生の話を聞いているのでした。

ところで、ここでクイズです。

★戦前のドイツでは、高級車「ベンツ」は一部の人しか買えない車でした。そこで大衆の支持を得ようとしたヒトラーは、普通の人が購入できる新しい車の開発を、フェルディナント・〇〇〇〇に依頼しました。その結果生まれたのが、国民車とよばれるあの有名な「フォルクスワーゲン」なのです。

東京藝大出身の冨田先生は、きっと美的にも強いこだわりがあるのでしょう。先生の愛車は、実は〇〇〇〇なのです。
さて、この〇〇〇〇に入るカタカナ4文字は、いったい何でしょうか。

答えは誰でも、キャンパス内の駐車場で見つけられます。お探しください!

2022 年 9 月 21 日

台風一過、秋季学位記授与式を挙行

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9月20日、令和4年度の秋季学位記授与式が行われました。秋の卒業ですから、基本的には留学生が対象となります。

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今回、アニメーション文化学科からは5名の卒業生が出たのですが、すでに帰国した学生もいるので、3名の学生が式に参加することになりました。

大学院進学を目指すもの、帰国して就職するもの、それぞれ進路が異なるのはいつものことですが、苦しいコロナの時期を共に日本で過ごしたという記憶はずっと一緒に持ち続けることだろうと思います。

学科教員一同、みなさんのこれからのご活躍を心から願っています。

2022 年 9 月 19 日

学生作品を今年も 「 ICAF2022 」 に出展

今年度も、学生2名の卒業制作作品を、「ICAF2022」に出展致します。

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「 ICAF(インター・カレッジ・アニメーション・フェスティバル) 」とは、全国の大学や専門学校などの教育機関で作られたアニメーション作品を一堂に上映、発表する大会のことです。

今は全国にアニメーションを学び研究する大学がこれだけあるのかと思うと、本当に時代の変化を感じますね。
私たちの学科も、10月にはさらに1名新しい教員を迎え入れ、より一層にぎやかに活動を推し進めていきたいと考えています。

なお、今回の「 ICAF2022 」のスケジュールは、以下のようになっています。学生作品をぜひご覧になってください。

会期:9月29日(木)~10月2日(日)
 オンライン期間  :9月26日(月)〜10月2日(日)
 会場上映期間   :9月29日(木)〜10月2日(日)

会場:
 国立新美術館(全作品上映) 
 特設WEBサイト(一部オンライン配信)

「 ICAF2022 」の詳細については、こちらをご覧ください。

2022 年 9 月 5 日

ゲームジャム高梁2022、申込み受付中!

アニメーション文化学部が支援してきたゲームジャム高梁が、今年で7年目を迎えます。

ゲームジャム高梁2022は、10月22日(土)、23日(日)に、吉備国際大学国際交流会館多目的ホールとオンラインのハイブリッド方式で開催予定です(新型コロナ感染症の状況によっては完全オンライン開催)。

今年のポスター・ウェブのイラストは、アニメーション文化学科のHIMOさん、ロゴマークは、同学科のDakshitha Prasanaさんの作品です。

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ゲームジャム高梁2022のウェブページ。イラストは、アニメーション文化学科のHIMOさん、ロゴマークは、同学科のDakshitha Prasanaさんの作品。

ゲームジャム高梁には、岡山県内のゲームや3Dモデルのクリエイターや、クリエイター志望の学生が参加します。ゲームやお絵描きにかかわるクリエイターで、仲間を見つけたい、交流したいという人にはびったりです。また、ゲーム制作について実際に企画から開発、リリースまでを経験できるので、クリエイター志望の学生には実践的に学ぶまたとないチャンスです。毎年専門学校生が参加するほか、小学生や高校生も参加したことがあります。

参加希望者は、この参加登録ページから登録してください。

また、興味あるけど、はじめてでよくわからないという人や、もっとゲームジャムのことを知りたいという人は、まずは10月8日(土)オンラインで開催予定の事前勉強会に参加して、ゲームジャムの概要や参加方法について聞いてください。事前勉強会に参加したい人は、事前勉強会参加申込みページからどうぞ。

2022 年 8 月 29 日

夏のオープンキャンパス 3回目(8/28)

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夏のオープンキャンパス第3回目が、日曜日に開かれました。

今年は8月に2度のオープンキャンパスを開くことになったのでしたが、新学期直前にもかかわらず多くの高校生と保護者の方に来ていただきました。
ありがとうございました。

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10月から着任予定の先生にも参加していただき、アニメスタジオへの就職に直結する作画指導をやっていただきました。

横浜から移り住むことになるのですが、昨日の話だと岡山市に新しい住居を見つけたとのことですから、10月以降、懇切丁寧な学生指導が期待されるところです。

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別教室では同時並行して、佐々木先生のイラスト制作指導も行われました。
手慣れた手つきでソフトを扱う生徒さんを目にするのも、最近では珍しいことではなくなってきましたね。

前回の8月7日のオープンキャンパスでは佐々木先生のイラスト講座に参加し、今回は10月着任予定の新しい先生の作画講座に参加するという、とても熱心な生徒さんもいらっしゃいました。

アニメーションの世界は、予想外に、とても・とても広いのです。
自分の適性に向いた分野を探すのはきっと大変でしょうが、それはまたとても楽しい作業でもあります。
臆せずドンドン挑戦してみてくださいね!

佐々木先生が言うには、今や無数のデータを活用して、何と「AIが絵を描く時代」になったのだそうです。
すると私たちは、AIに負けない絵を描くこと、AIをうまく利用して自分の絵を描くことが、大事になってきます。
ここでもまた、挑戦ですね! みなさん、いっしょに頑張りましょう。

2022 年 8 月 25 日

「ゲームクリエイターになるため、大事なことは?」  ICTクラブ高梁第3回講座から

アニメーション文化学部をはじめ、吉備国際大学の教職員・学生や地域の人たちが応援しているICTクラブ高梁の第3回講座が開催されました。

タイトルは、「10年後ゲームクリエイターになる 学校の勉強はゲームにどう役立つか」。8月11日の山の日にオンラインで開催されました。

講師は、ゲーム教育ジャーナリスト・東京国際工科専門職大学講師の小野憲史先生です。小野先生は、長くデジタルゲーム業界を取材・調査してきたジャーナリストで、現在は大学教員として、デジタルゲームの世界で活躍したい学生の指導にもあたっています。国際的なゲーム開発者の団体「国際ゲーム開発者協会日本」(IGDA日本)の名誉理事・事務局長でもあります。

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ゲーム教育ジャーナリスト・東京国際工科専門職大学講師の小野憲史先生

IGDA日本は、子どもたちの教育にも力を入れていて、各地で「デジタルからくり装置作りワークショップ」という子ども向けのワークショップを開催しています。このワークショップでは、参加者みんなでデジタル世界の中にボールが転がっていく「ピタゴラ装置」のような複雑なからくり装置をつくります。プログラミングの知識がなくても、直感的にデジタル世界の部品を組み合わせることで、コンピュータの中にいろいろなものができあがっていくのは、子どもたちに人気のマインクラフト(マイクラ)のようで、大人気です。2018年に、ICTクラブ高梁がある岡山県高梁市で開催した際にも2日間で20人近くの子どもたちが集まりました。

「デジタルからくり装置作りワークショップ」では、ゲームづくりの初歩の初歩を体験することができますが、小野先生によると、いまの子どもたちは、昔のマンガ・アニメ「北斗の拳」風に言うと、「おまえはもうゲームをつくっている」んだそうです。

これはこんな理由です。

小学校でプログラミング教育が始まりました。小学校のプログラミング教育では、ビジュアルな部品になった命令を組み合わせていくとプログラムを作ることができる「Scratch」というプログラミング言語が使われています。

このScratchを活用して子どもたちが最初に作りたいと思い、実際に作っているのがいろいろなゲームです。Scratchは無料で利用できるので、だれでも気軽にゲームを作れる環境が整っているので、これを活用すれば、もうみんなゲームクリエイターになれるというのです。

実際、ほかの分野で活躍しながらアマチュアでゲーム作りを楽しみ、話題を生むゲームを発表する人も出てきました。例えば、お笑い芸人の野田クリスタルさんがつくった「ブロックくずして」は、独創性の高いゲームとして話題を呼びました。

さらに、ゲームの世界はこうした「ホビーゲーム」と有名なディストリビューター(いわゆる「ゲーム会社」)から発売されるビッグタイトル(「AAAゲーム」と呼ばれます)、個人や小企業が独自に開発しインターネットなどで配信するインディーゲームに「三極化」しているそうです。

ゲームを遊ぶ人「ゲーマー」からゲームクリエイターになるには、自己視点で遊ぶ→自己視点でつくる(作って「自分が」楽しい)→他者視点で作る(作ったものを遊ばせて楽しい)と3段階で、自分の視点や行動を発展させていく必要があるといいます。

ゲームデザイナーの柴田賀盆さんは、「だれゲー」という表現で他者視点でのゲーム作りを表現します。つまり、「身近な人の顔を思い浮かべながらビデオゲームを作る」のが、おもしろい、楽しいゲームをつくる基本なのだそうです。プレゼントを贈るときも贈る相手が何を好きかを考えたうえで、いい意味で相手の期待を裏切って楽しませるようなプレゼントを考えますよね。両親や友達、先生など身近な人にゲームを楽しんでもらうとしたらどんなものがよいか…こうしたことを考えると、子どももおもしろいゲームを作ることができるはずだと、小野先生は言います。

小野先生は、障害者福祉施設で入所者の方にゲームを楽しんでもらうイベントを支援した経験があるそうです。このときわかったのは、片手だけで遊べるゲームが意外と少ないことでした。身体の片側がマヒしたり、または、ほかの理由から片腕・片手が使えない人が楽しく遊べるゲームとして、NINTENDO Switch Sportsを選んだそうです。確かに、片手だけ動けば、指先の難しい操作をせずに、バレーボールやテニスなどで遊べますし、複数の人が一度に遊べるので、みんなで楽しめますね。ただ、一部の人には十分に楽しんでいただくことができなかったそうです。

機械・装置やウェブなどが誰でも使えるように配慮することを「アクセシビリティ」といいますが、片手で遊べる、指先で遊べる(指先だけ動けば遊べる)、大きなボタンで遊べる、4人で遊べる、内容がすぐに理解できる、途中で失敗したりゲームオーバーにならないなどの特徴が、障害があっても遊んで楽しめるというゲームには必要だといいます。

たとえば、Microsoft Xbox向けのXbox Adaptive Controllerは、大きなボタンで操作をしやすくして、いろいろな障害がある人でも遊べるようにしたものです。

結局、小野先生は、第2回ゲーム大会のため、先ほど書いたような条件を満たす「つなひきゲーム」「チューチューバトル」という2つのゲームを自分で制作しました。このゲーム制作では作業療法士の奥様のアドバイスから練習タイムやゲームの速度の調節機能などを入れたそうです。こうした工夫で、より多くの人に楽しんでもらえるゲームになったとのことでした。中には足や顎でボタンを押すなど、意外な人が上手だったこともわかったそうです。

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Scratchで自作した「つなひきゲーム」と「チューチューバトル」のイメージ。

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「チューチューバトル」のScratchのコード。

ゲームづくりも、やはり課題解決のための「デザイン」が必要です。これはエンジニアリング(工学)分野では当たり前で、だれのどんな課題をどのように解決し、競合他者と比べて何が優れていて、コストが適正かということを考えないといけないそうです。ゲームを制作するときも計画・実行・チェック・修正のPDCAサイクルが必要で、ユーザーをよく観察してどんな特性・興味を持っているかを知り、そのうえでユーザーが喜んでくれるようにゲームを作り、さらに実際どのように遊んでいるか観察して確認し、必要があれば修正するということが必要になります。

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ゲーム開発のPDCAサイクル。

つまり、だれに遊んでもらうかを明らかにしたうえで、その人たちが喜んでくれるゲームをつくるということが何よりも大事だということになります。

では、10年後いまの中学生や高校生が社会に出て、ゲームクリエイターになるころには、ゲームはどのようなものになっているでしょうか。小野先生は、まず、現在65歳の架空の人物「芸夢好雄(げいむすきお)」さんのゲーム人生をたどって、アナログゲームから現在のモバイルゲームまでの歴史を振り返りました。この歴史を見ると、古いゲームもずっと残り続けることで、ゲームの多様性が増し市場が広がっていく大きな傾向と、ゲームセンターから家庭、個人とゲームがどんどんパーソナルなものになっていくという大きな傾向があるといいます。

そして、現在のゲームは、人気ゲームを見ると、ネットワークを通じて、友達とオンラインで遊べる、そして、何かをつくる・表現するというものになっているといいます。たとえば、マインクラフトフォートナイトポケモンあつまれどうぶつの森シリーズなど。

さらに、10年後には、すべてのものがインターネットにつながり、現実世界が仮想世界によって包み込まれるようになり、人間とモノやデータが協調して動作するようになると、小野先生は予想します。手掛かりになるのは、現代のSFです。

たとえば、SFノベル・アニメの『ソードアート・オンライン』では、五感すべてを接続して没入して遊ぶXRゲーム(「XR」というのは、バーチャルリアリティ(VR)や拡張現実(AR)など仮想世界やその技術の総称のこと)が描かれました。また、アニメ『電脳コイル』のように、現実世界の中でゲームを遊んだり、電脳ペットを飼ったりという世界が実現するかもしれません。

こうした世界を予感させるような遊びもすでに登場しています。室内で仮想の潮干狩りすることができるバンダイナムコの「屋内砂浜 海の子」や、ゲーム世界のサウンドをイヤホンから聞きながら街を散策することで、現実世界にゲーム世界を重ね合わせて楽しむことができるソニーの「ロケトーン」などがあります。また、現在体験に70万円かかりますが、情報通信技術(ICT)と、キャストのアクションを活用してテーマパークにスターウォーズ世界を再現した「ギャラクティックスタークルーザー」は、きわめてリアルに映画の中に入り込み登場人物となったような経験ができるホテルです。このホテルはアメリカのウォルト・ディズニー・ワールドの中にあります。

こういった大型施設などを活用して、まるで物語世界の中に入ったような体験ができる演劇作品は、「イマーシブシアター」と呼ばれ、国内でもホテルや大型施設を活用して上演されるようになっています。

このように、社会のDX化とともに、ゲームは現実世界と融合していくと、小野先生は予想しています。その一方で、本当に「これはゲームか?」という意見もあるかもしれません。しかし、小野先生によれば、今までもゲームの歴史は「KGN」で進んできたといいます。つまり「こんな(K)のゲーム(G)じゃない(N)」と言われた遊びがゲームとして認知され、ゲームの世界を豊かにしてきたのが、ゲームの歴史だったというのです。ドラゴンクエストさえも、ハイスコアを競い合うアクションゲームがゲームだと思われていた当時は、「こんなのゲームじゃない」と言われていたそうですよ。

ゲームは目と指と心を動かすと、小野先生はいいます。目を動かし、指を動かすことで、おもしろいと思い感動し心が動く。これは、魅力的な「目標」と目標達成の「手段」、適切難易度の「障害」に相当し、これがゲームの3要素です。現実世界をよく観察すると、こうした目標も手段も障害も見えてきます。そうすると、現実世界を抽象化し、その目標・手段・障害を誇張して体験させるのがゲームだということになるでしょう。

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ゲームは現実世界を抽象化し誇張して体験させる。

逆に、ゲームが現実を抽象化したものだとすると、ゲームを現実に適用することもできるはずと、小野先生は指摘します。ストレスを感じてストレスから解放されるというループを経験することがゲームでも現実世界でも快感を産む原動力になるので、このループをうまく設計できれば、現実世界とゲームを融合させられるといいます。同時に、ゲームは現実のある側面を強調することで、現実を批評するという性質を持つ場合もあります。

将来ゲームクリエイターを目指そうとする子どもたち(中学生・高校生)は、そうすると、まずは現実をよく観察して現実世界がどのように成り立っているか知ることが大事です。さらに、前半の話題で見たように、友だちや先生たちをよく観察して何をしたら喜んでもらえるか考えるのも、ゲームでわくわくし喜んでもらうためには大事です。

こうしたトレーニングは学校生活の中でできます。たとえば、運動会で新しい種目を考案してみるということが考えられます。実際に考えられた新しい遊びとしては、座布団型圧力センサーを使って、おしりを動かすことでトイレをきれいに掃除できるというようなゲームがあるそうです。

小野先生によれば、「ゲームは誰でも作れる」が、そのときおもしろいゲームを作るために大事なのは、「誰かのためにつくる」ということ。その誰かをよく観察し、どうすればその人が喜んでくれるかをよく考えてゲームを作るということが、ゲームクリエイターになる第一歩--これが、小野先生のご講演の結論です。

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講演の3つの結論。

そうすると、ゲームクリエイターになるためには、ゲームをする手を休め、ゲームから手を放し、現実や、身の回りの人に目を向けることが大事だということになりそうですね。ゲームだけにハマっていると実はゲームクリエイターになるのは逆に難しくなってしまうでしょう。ゲームクリエイターになりたいなあという人は、周りの人をよく観察しておしゃべりをしてみるということが、ゲームクリエイターへの第一歩。なのでしょう。

これはたぶんアニメーション制作にもつながる話のように思います。アニメーションを制作して、みんなを楽しませたい、感動させたいという人は、人間に興味をもっていないと、やはり人が見て楽しみ感動し、ときには怖がり、びっくりするといったようなアニメーションをつくるのは難しいかもしれません。好きなアニメーションを見るだけでなく、その外にも目を向けてみることがとても大事なようです。

2022 年 8 月 8 日

夏のオープンキャンパス 2回目(8/7)

大学の夏休み突入とほぼ同時に、夏のオープンキャンパス2回目が開催されました。

今回はまずは、アニメーション文化学科お得意のノボリやタテ看をご紹介致します。
いずれも学生作品をもとにして作っていますので、展示としても楽しんでいただけます。

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前回のオープンキャンパスでお話ししたように、今回は秋学期から就任予定の新しい先生にわざわざ東京から来ていただきました。

そして、「アニメスタジオに通用する本物の作画技術」について、実演とともに講義をしていただいたのでした。

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生徒さんたちは、2枚の原画をもとに中割りの体験を行いました。

初めてのことですから大変なのですが、アニメーションを作るという実感が得られたのではないでしょうか。

集中する背中と指の動きが、もう何だかアニメーターですね。

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別の教室では、いつもの佐々木先生によるイラスト実践講義です。

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美少女を描く生徒さんが圧倒的に多い中で、なぜが鮮魚の鯛?、あるいは、おいしそうなたい焼き?を描いている保護者の方がとても印象に残りました。

CLIP STUDIO PAINT(クリップスタジオペイント)を使うことに少し慣れていらっしゃるような感じでしたが、普段はいったい何を描かれているのだろう???

たい焼き、タコ焼き、大判焼き・・・・・・

忙しくてお昼を抜いたせいか、私の妄想はあらぬ方向にひたすら突っ走るのでした・・・。

2022 年 7 月 30 日

9月卒業予定者の卒業研究発表会

金曜日、9月卒業予定の留学生5名の卒業研究発表会がありました。

5人は全員中国の学生で、1名が論文、残りの4名がアニメーションの制作でした。

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論文の学生は、中国における「特撮」の発展史を扱っていました。

先日、上海のテーマパーク「上海海昌海洋公園」に「ウルトラマン・エリア」が新設されたとのニュースがありましたが、ウルトラマンが中国の特撮に与えた影響はとても大きいのですね。

今では中国でも独自の特撮ものが作られているそうですが、オモチャやグッズと関連付けた製作方法は日本のやり方をそのまま踏襲したものとのことです。

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アニメーション作品はそれぞれが思いを込めて、だいたい3分~5分の尺(長さ)で作られています。

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今回の特色は、コロナ問題を扱った作品が出てきたことです。

確かに彼らは、留学中の真っ只中コロナ禍にぶつかり、中国に一時帰国もできなかったし、帰国しても日本への再入国ができなかったりと、散々な目にあっているのです。

彼らの記憶の中では、日本留学とコロナはこれからもずっと切っても切り離せない関係なのだろうと思います。
それだけにますます、この貴重な留学体験を活かして、これからの人生をたくましく切り拓いて行ってもらいたいと願っています。