2010 年 11 月 22 日

授業風景(番外編)

11月18日3限、
「作業療法士、理学療法士が行う喀痰吸引」
という演題で授業を行いました。

何故、看護学科の教員の私が授業を実施したか、についてですが・・・

本年4月30日、厚生労働省が都道府県知事宛に発信した
「医療スタッフの協働・連携によるチーム医療の推進について」
という通知の中に、“喀痰等の吸引”という項目があります。

その項目の中で、理学療法士や作業療法士等が
喀痰吸引を実施してよいことを規定しています。
(詳細は厚生労働省のホームページを見て下さい)

そのため、教育が必要だということで、
保健科学部の中で喀痰吸引の授業を実施している教員の私に声がかかりました。
(看護学科では、喀痰吸引は生活援助論の中で、2年次生が学習・演習しています。)

当日は、OT・PTの4年次生約80名と
保健科学部の教員8名程度の参加がありました。

前半は講義、後半は演習を行いました。
普段、看護学科の学生の前でしか講義をしていないので、
かなり緊張しました。

学生の皆さんは、食後の眠たい時間にもかかわらず、
熱心に聴いてくれていました。

たった90分の授業の中で、
吸引に必要な知識が、
皆さんに伝わったのでしょうか??

就職した後も、学び続け、
安全な喀痰吸引のできるOT・PTになってほしいと思います。

今後、多職種の連携や協働がますます重要になってきます。
そのため、対象者(患者・利用者)を中心に、
よりよいサービスが提供できるような医療従事者・医療関係者の教育も、
もっと必要になると思いました。

【基礎看護学担当教員】

写真は授業前の風景です。
寒いため上着を着ているのでわかりづらいですが、
講義後の演習のため、実習衣で集合しています。

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2010 年 11 月 14 日

ホームカミングデー

11月7日(日)大学創立20周年を記念して、
同窓会主催による「ホームカミングデー」が開催されました。
看護学科の出席者は4名(5期生3名、6期生1名)と寂しかったのは残念でした。

卒業生の多くは現役の看護師で、日曜でも休めるとは限らないこと、
結婚等で住所や名前が変わってしまっている人が多いこと、
幼い子を抱えた子育ての真最中、といった不利な条件があると思います。

出席したのは、養護教諭、看護学校教員、保健師、子育てのため離職中、の4名で、
現役の看護師がひとりもいなかったのは象徴的だったのかも知れません。
教員の出席者は、村上・長町・掛谷・川本・池永の諸先生と私の6名でした。

休日ということで、高速道路が渋滞し、大幅に遅れてくる人もあって、
少しやきもきしましたが、少数だった分、じっくりと中身の濃い話ができました。

出席者の自己紹介のあと、岡山県内で小学校の養護教諭をしているAさんが、
スライドを使って卒業後の経歴や近況報告をしてくれました。
看護師の資格を持った養護教諭になりたくて入学してきたこと、
そのため看護の勉強が必ずしも十分ではなかったという反省点も語られましたが、
今は希望が叶って充実した日々が送れているようでした。
また、養護教諭にも看護の視点はぜひ必要で、看護を学んで良かったとのことでした。

すばらしいプレゼンテーションで、機会があれば、
学生たちにも同じような話をしてほしいと思いました。
卒業生の成長ぶりが見られるのは、教師としてとてもうれしいことです。

次いで、村上先生から、医療機能評価のサーベイヤーとして
多くの病院の評価に関わった経験から、評価のポイントについて話していただきました。
時間が十分ではなかったのですが、病院評価の手順や評価項目等について、
看護師を養成する立場の教員にとっても参考になる、大変有意義なお話が聞けました。

懇談では、学生時代の思い出など、懐かしい話も聞けました。
5期生は国家試験合格率100%だったのですが、
全員が団結して助け合って勉強したことなども話され、
今の学生にも聞かせたいと思ったくらいです。
その団結力は今も続いていて、毎年、同期生向けの「新聞」が発行されているそうです。
その編集・発行を担当しているのもAさんです。

前にも書いたことがありますが、同期生だけの横断的な同窓会だけでなく、
学年を超えた縦断的な同窓会組織が機能するようになればいいと思います。
ホームカミングデーがそのきっかけになることを願っていたのですが・・・。

卒業生の皆さん、もし同窓会を開く計画があれば、
たとえ小規模なものでも、ぜひ大学にご一報ください。
近辺に住んでいる他の年度の卒業生に連絡するなど、何か協力できるかも知れません。

看護学科 尾瀬

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これからプレゼンテーションを始めます。

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記念撮影(遅刻した人と,撮影者の池永先生は写っていません)
卒業生の皆さん、この場所わかりますよね!

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村上先生(奥)の話を聞く卒業生

2010 年 11 月 9 日

☆3年生臨床実習レポート☆

今回紹介するのは、岡山大学病院での成人看護実習Ⅱ(慢性期)です。

成人看護実習Ⅱでは、慢性期・リハビリテーション期にあり
断続的な援助を必要とする患者さんを、対象とした看護の実習をします。

病気の成り立ちは?患者さんの背景は?どんな援助が必要?
よりよい看護が実践できるように、このような疑問はカンファレンスで話し合います。

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↑カンファレンス風景

また、患者さんに気をつけていただきたいことなどの説明の時に使う、
パンフレットを作成しました。
こちらは感染対策についてのパンフレットです。↓

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こちらは便秘と日常生活についての説明パンフレットを作成し、
患者さんに説明しました。↓

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こんな風に・・・紙の周囲をかわいくカット。
色々な工夫を凝らして作成しています!↓

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今回の実習では、患者さんとの関わりの中から、
たくさんの勇気や励ましも得られました。
今後さらに、自己学習や経験を重ねて、
患者さんを励まし傷の痛みや病気の辛さを和らげることができる
看護師になりたいと感じることができました。

2010 年 11 月 8 日

Findlay大学の留学日記(8) “老人ホームのベッド”

高梁も寒さが本格的になってきたことと思います。
Findlayも、朝晩はとても冷え込み、今夜は初雪が降る予報です。
私にとって一番寒い冬を経験したのが高梁なので、
これからの寒さは想像がつきません。

先日、老人ホームに行って日本の文化を少しだけプレゼンテーションしてきました。
そのときに、利用者の部屋を見せてもらって、そのベッドの高さにビックリ!!しました。

背の低いおばあちゃんのベッドでしたが、
「おばあちゃん、一人でベッドに上がれるの?!」
と思ったくらい、日本では考えられない高さでした。

そういえば、今、私はボランティアで、週1回別の老人ホームに行って、
98歳のおばあちゃんと2時間話をしているんですけど、
彼女のベッドも、私は足が下につかないくらいの高さでした。
しかも、ベッド柵はついていません。

とてもビックリしたので、
私の会話の練習のパートナー(彼女は看護師です)に聞いてみたら、
「患者がベッド柵をしたくないって言ったら、ベッド柵はしない。
患者の意見を尊重する」との返答でした。

もちろん、もし患者さんがベッドから転落したら、
インシデントレポートを書く必要があるけれど、誰からも責められない。
と言っていました。

もし、どうしても患者にベッド柵が必要なときには、
医師に指示を書いてもらうそうです。
ベッドの高さも、いくつかの老人ホームは、
自分が長年使っていたベッドを持ち込んでいるので、
その人が使い慣れたベッドだから、ベッドから転落することはまれなんじゃないか
と彼女は言っていました。

それに、そういえば、アメリカのベッドの幅は、
日本に比べて広いことが多いので、
寝返りを打っても転落することはないのかな・・・・・・・
と勝手に納得してしまいました。

老人ホームの高齢者のベッドが高く、
ベッド柵がないことにとても違和感を覚えましたが、
アメリカでは普通なようですね。

でも、ベッド柵をするのに医師の指示が必要なんて…。
「転倒転落を防ぐ」っていうのは、看護問題な気がするんですけどね~。
医師の指示って言わないと、患者さんが納得しないんですかね。
ベッド柵をしたくない患者の意見を尊重するのが、本当に正しいことなのか…。
看護倫理って本当に難しいなと改めて考えさせられました。
今、日本の看護の「徳の倫理」がアメリカなどで注目されていると聞いたことがありますが、
日本とアメリカの考え方の違いをディスカッションできたら楽しそうですよね。
そのためには、もっと英語のスキルを高めなければ!!!

あと1か月で前期も終わりです。一瞬で前期が終わってしまったというのが感想です。
残りの日を大切にして過ごしたいと思います。

2010 年 11 月 5 日

☆3年生臨床実習レポート☆

現在3年生は、各論実習で頑張っています!
今回ご紹介する教科は、成人看護実習Ⅰ「周手術期」です。
実習の中に、手術室見学実習があります。

手術室見学実習の目的には、麻酔・手術目的を理解し、
予測される手術侵襲、機能の変化が理解できることなどがあります。

具体的には、解剖生理の理解、看護師の役割、
手術中の患者さんは麻酔や手術によって、
どのように変化するのか実際に見学することで理解を深め、
患者さんの精神面や今後の生活への影響も含めて、
看護の役割についてしっかり考え実行していきます。

さて!実際の手術室実習の風景です。

今回ご紹介するのは乳腺疾患・消化器疾患治療で知られる
おおもと病院での手術実習での様子を写真で紹介します。
(撮影してくださったおおもと病院手術室主任様、ありがとうございました。)

「手術室って教科書で勉強したけど・・・、実際はどんな所?!」
「自分が倒れたらどうしよう!」
「でも貴重な手術室見学実習!しっかり勉強して看護に活かせるように頑張ろう!」

そんな期待と不安を胸に
いざ手術室へ!

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※薄いブルーの手術衣が学生です。
医師のすぐそばで、手術で使う機械や道具を渡す役割の直接看護師(手洗い看護師)。
記録、薬の準備などの、周りの看護師は間接看護師(外回り看護師)。

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大きなライトは、「無影灯」と言います。
術野がみえやすいように焦点を合わせるのは、熟練の技。
「ライト3年」ライトの操作を習得するには3年かかるという意味です。

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※男子学生は緑色の手術衣です。
色々な機械や器具が並んでいます。
看護師さんは手術の進行具合を見て、次に必要な機械を医師に手渡します。
医師が指示する前に、次に使う器具をさっと手渡す看護師さんに学生は全員感激。

この実習の終わりに、今回ご指導頂いたスタッフの皆様にお礼申し上げます。
また、手術室主任様より実習を終えた学生たちにメッセージを頂きました。

その中の一文をご紹介致します。

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センスあるナース

仕事の覚えが早い

仕事が早い

仕事が丁寧

仕事に工夫を加える

仕事を楽しむ

同じ失敗は繰り返さない

良いことはすぐ実行する

実習で学んだことを活かしてセンスあるナースに成長されることを願っております。

これからも一人一人の患者様との出会いを大切に実習頑張ってください。

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心のこもったメッセージをありがとうございました。
学生たちは、手術室実習では教科書だけでは習得できないものを
たくさん学習することができました。
今後もセンスあるナースを目指してみんなで頑張ります!

以上手術室からのレポートでした。

2010 年 10 月 27 日

産業看護実習

今、3・4年生は学外実習中で、大学には1・2年生しかいません。

4年生は、地域看護・在宅看護の実習中ですが、
地域実習の一環として今年も産業看護実習を行っており、私が引率しています。
1グループ10人程度で、各1日だけの実習ですが、
昨日(10月26日)で、4グループのうち2グループが終わったところです。

実習先は例年と同じ、三菱重工の三原にある工場で、

交通・先端機器事業部」と、「三菱重工印刷紙工機械株式会社
(昨年までの「紙・印刷機械事業部」が別会社になった)です。
世界的な不況で印刷機の受注は低迷し、
さらに円高が直撃して、生産を縮小せざるを得ない状況だそうです。

また、ちょうど,アメリカ・マイアミ向けのAPM(無人運転の電車)や
新聞輪転機の出荷が終わったところだったりして,
作業量が少なくなっていたのは残念でした。

それでも1通りの作業、とくに「有害業務」は見ることはできました。
写真は、交通先端機器事業部の車両工場の前で衛生管理者から説明を受けているところです。

このあと中に入ると、JR東海向けの新幹線保守車両や千葉モノレールの新型車両などが造られていました。
また、HSST(High Speed Surface Transport)の試作車
(愛知万博で開業した「リニモ」とほぼ同じ)や実験線なども見学しました。
車輪がないのはちょっと異様な感じです。
残念ながら、動いているところは見られませんでしたが。

ところで、今、羽田空港の新国際線ターミナルの開業で大いに盛り上がっていますが、
そこで活躍している21基のPBB(Passenger Boarding Bridge,旅客搭乗橋,世界初のバリア・フリー・タイプ)を、
昨年の見学時にここで製作していたことを思い出します。

看護学科 尾瀬

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2010 年 10 月 19 日

卒業生の皆さん! ホームカミングデーのお知らせ(第2報)

同窓会から、ホームカミングデーの案内は届いたでしょうか。

実家に届いた人とか、引っ越して「行方不明」に
なっている人もいるのではないでしょうか。

もし案内が届かなくても出席は歓迎です。
ただし、人数把握のため、
メールで結構ですから(oze@kiui.ac.jp)、
事前に連絡をください。

先日お伝えしたとき未定だった「学科懇親会」を学内で行うことにしました。

16時から、7号館5階で行います。

多くの方の参加をお待ちしています。

看護学科 尾瀬

2010 年 10 月 12 日

救急法の授業

臨床看護総論の中の「救急法を必要とする患者の看護」の授業として、
岡山市立市民病院において救急看護を担当されている
看護部長と看護師長を講師にお迎えし、
救急法の授業が10月1日(金)行われました。

実践で役に立つ講義と演習で、学生の学びも多かったのではないでしょうか。
授業を受けた学生は2年生です。
後日感想をききました。

「とてもわかりやすかった。」
「教科書を読んでいるだけではピンとこなかったが、実際にやってみるとわかった。」

などと、講義と演習を受けることで理解が深まったようです。
(演習中はやや積極性に欠けていたようでしたが・・・)
2年生の皆さん、これからも目標に向かって努力していきましょう。

【2年生チューター】

写真は演習風景です。
講師の方々、本当にありがとうございました。

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2010 年 9 月 30 日

卒業生の近況報告

私は、卒業後ある総合病院の小児科・産婦人科で看護師をしていましたが、
4年前に結婚して退職、S市に引越し、S市役所の臨時職員
(包括支援センター、特養施設、障害児がいる保育所など)
として働き、今年3月に長女を出産しました。

『出産後はゆっくりしたいな』と考えていましたが、
9月からS市内の某事業所の産業保健師(嘱託)として働いています。
産休の代替で1年間契約ですが、産休の方がおそらく復帰困難となるらしく、
その場合続けて勤務してもらいたいとの事で・・・チャンスだと思い働くことに決めました。

ちょっと複雑な事情で、もともと産休の代替で来ていた保健師(派遣)が
急遽退職することになったため、その保健師から引き継いで
10月から私1人で業務を行っていくことになりました。
産業保健師として働くことになり嬉しかったのですが、
全く初めての分野で不安もあります。

昨日も『××(有害化学物質)を扱うにあたって、健診回数は増えるのか?』
という現場からの問い合わせに戸惑い、
産業保健推進センターに相談にのっていただきました。
卒業して6年半経過し、勉強した内容が薄れていること、
また色々と法改正がされており、戸惑う事やわからないことが多いです。

ですが社員の方は全体的に人柄がよく、温かく見守ってくれているので、
頑張っていこうとやる気にさせてくれます!
今は引き継いだものをマニュアル通りにこなす事で精一杯ですが、
産業保健師として出来る事を自分なりに見出していけたらいいなと思っています。

長女がまだ6ヶ月で、遠方への移動は困難ですが、
落ち着いたら吉備国際大学にもお伺いしたいと思います。

では、また近況をメールで報告いたします。

2010 年 9 月 30 日

卒業生の皆さん! 「ホームカミングデー」のお知らせ

今年は,吉備国際大学創立20周年です(看護学科は15周年です)。

それを記念して様々な行事が計画されておりますが、
同窓会主催で、卒業生対象の「ホームカミングデー」も計画されています。
行事予定は下記の通りです。

1.日時  平成22年11月7日(日)

11:00~12:30 昼食(大学で準備します)

12:30~14:00 学科別行事

14:00~16:00 同窓会総会(一部:総会、二部:卒業生による記念講演等)

終了後、各学科の懇親会

2.看護学科の学科別行事 (12:30~14:00)

1) 卒業生実践報告(看護師・保健師・教職各1名程度)

2) 講演:村上重子教授「医療・看護における第三者評価」

村上先生は、今年度から赴任してこられましたが、
(財)医療機能評価機構で病院機能評価を担当した経験に基づいて
話していただきます。
日々の業務に参考になると思います。

3.懇親会については、今のところ、場所等も未定。

4.当日は朝から7号館5階が自由に使えるようにします。
同期会・交歓会などに自由に使ってください。

追加の情報は、順次、このブログでお知らせします。

卒業生の皆さん、このブログを見たら、ぜひ友達に知らせてあげてください。

1人でも多くの卒業生が集まってくれることを期待しています。

また,出席される方は,oze@kiui.ac.jp あてにもお知らせくださるとありがたいです。

看護学科長 尾瀬