大学の夏休みには、「集中講義」というものがあります。
得難い専門性を持つ方に、他大学や遠方から来ていただく場合には、この方法が適しているのです。

現在、アニメーション文化学科では、相原恒先生による集中講義「音響演習」が開かれているところです。
相原先生は、地元の音大の先生です。
今回、日本一暑い高梁にわざわざお出で下さり、ありがとうございます。

学生らは今回、音楽制作ソフトウェアCubaseの使用法を基礎から学んでいます。
何と、誰もが知る「きらきら星」の打ち込みから、授業はスタートしたそうです。
自作のアニメーションに、自分で曲や効果音をつけることが出来るようになれば、創作の可能性・自由度は格段に増しますよね。

実は、大学HPから見られる本学科の「学科紹介動画」の音楽も、一部学生の手作りしたものが使われており、実際このCubaseで作曲したとのことでした。
けい先生も大のお気に入りの曲となっています。
8月22日(土)、オープンキャンパスが開かれました。
コロナのため今回も予約制でしたが、前回の7月とほぼ同数の方々に来ていただき、本当にありがとうございました。

今回の実技体験は、「おじぎ」の動作をどうアニメーションで表現するか、です。

まずは、横向きの直立姿勢と頭を下げた状態の2枚の絵を描いてみます。

この2枚の絵を重ねてみると、体の重心を保つために、頭を下げるのと同時にお尻が後ろの方に引かれている様子がよくわかります。
このように、アニメーターは不自然に映る体の動きは絶対に描かないよう、細心の注意をはらっているのです。

次に中割という作業ですが、直立の時と頭を下げた状態の間で、どこに何枚の絵をはさんでいくかを慎重に考えることになります。
実はこれは、「演出」にも関係してくることなのです。だって、うれしい時のおじぎと悲しい時のおじぎでは、動きの様子が絶対に違ってきますからね。
でも、こうした微妙な表現の差については、入学後にゆっくり学んでいくことですから、どうぞ今はご安心ください。

こうしてトレース台に向かって描いていると、気分はもう本物のアニメーターです!

最後に、簡易カメラで動画を撮影して、実際に動かしてみます。
本当ならここでキャラクターの動きをチェックして、不自然なところがあればそれを修正することになるのですが、今回はあくまで体験ですから、そこまではやりません。
自分の描いたキャラクターを動かしてみるというのは、ほとんどの高校生にとって生まれて初めての経験みたいです。
ですから、みんなドキドキしながら、その瞬間を待っています。
キャラクターが動いた瞬間、笑う人、首をかしげる人、実に様々です。
でも、ほとんどの人がPCモニター画面上の動画をスマホで録画し、自分が描いた動画用紙も大事そうに持ちかえるのです。今日一日の小さな感動と一緒に……。

< 募集要項>
日本のマンガやアニメーションは、今や日本を代表する文化の一つとなりました。こうした状況を踏まえ、吉備国際大学アニメーション文化学部は、才能あふれる多くの高校生に身近な発表の場を提供することを目的に、第9 回「高校生イラストコンテスト」を開催いたします。
1.募集内容: 次の二つの部門のどちらかを選んでください。テーマは自由です。
① 手描き部門( 1 枚もので一人2 点以内)
② C G 部門( 1 枚もので一人2 点以内)
2.応募資格: 高校生( 高等学校またはそれに準ずる学校に在籍している方)
3.応募作品の形式: 手書き; 用紙サイズA 4 、紙質は自由( イラストボード可)
C G : 画像ファイル、J P E G など
4.募集期間: 令和2 年9 月1 日( 火) ~ 1 1 月3 0 日( 月) ( 消印有効)
5.応募方法: 各学校で取りまとめて、応募用紙に必要事項を記入の上、下記の応募先まで作品を同封して郵送、もしくはデータを下記メールアドレスまで送ってください。
6.表彰
学校法人順正学園 総長賞 1 点( 副賞 図書券3 万円分)
吉備国際大学 学長賞 2 点( 副賞 図書券1 万円分: 各部門1 点)
奨励賞 6 点( 副賞 図書券3 千円分)
7.審査と発表
応募作品については、吉備国際大学アニメーション文化学部で審査を行い、受賞者を選定します。
令和2 年1 2 月上旬に結果発表を行います。
8.注意事項
① 作品は未発表で、必ず応募者オリジナルのものであること。
② 他人の著作権、肖像、名誉、プライバシーその他の権利を侵害しないこと。
③ 応募作品は手描き部門のみ返却します。なお、応募作品は大学・学科のH P やパンフレット等にて公開させていただく場合がありますが、その際応募作品に関し使用する権利は大学に帰属することとし、公開についての事前の連絡も行いません。
9.応募先・問合せ先
吉備国際大学アニメーション文化学部「イラストコンテスト係」〒7 1 6 – 8 5 0 8 岡山県高梁市伊賀町8
T E L : ( 0 8 6 6 ) 2 2 – 9 4 5 4 F A X : 0 8 6 6 – 2 2 – 9 4 6 8
E – m a i l : s u z u k i @ k i u i . a c . j p ( 担当: 鈴木)
<応募用紙>は、こちらからダウンロードしてください。 高校生イラストコンテスト募集要項
8月7日から9月22日まで、岡山シティミュージアム(4F)で「絵師100人展」が開かれています。

そこには、岡山県下でマンガやアニメを学ぶ学校の学生たちの作品が展示されるコーナーがあるのですが、もちろん、アニメーション文化学科の学生らも参加しています。

実は、今回が初めての参加だったのですが、他校と較べても作品のレベルはなかなかのものではないかと自負しています。

吉備国際大学アニメーション文化学科の最大の特徴は、多国籍チームでの参加だということです。
中でも、コロナのため来日出来ないままに頑張っている韓国の新入生らには、本当に頭が下がります。
国外でのリモート学習という困難な状況にあっても、今回の作品募集に自ら進んで手を挙げてくれたのでした。
先週と今週の「基礎演習」では、外部の方に来ていただいて、特別講師をお願いしました。
その講師の方とは、兼高里圭先生です。その名前にピンとこないという人も、先生が関わった作品を見れば誰しもアッと驚くはずです。
兼高先生は、次のような作品に、作画監督、原画、動画の立場で参加されています。
ワンピース(劇場版)
エガオノダイカ
3月のライオン
ゲゲゲの鬼太郎
クラシカロイド
プリキュア
ひなこのーと
レイトンミステリー探偵社
他多数

岡山県の出身で、上京後は「(株)すたじおかぐら」に所属して活動し、現在は地元に戻ってフリーのアニメーターとしてご活躍中とのことです。

今日は、色トレスの技法を学びました。
兼高先生が実際に行っている原画の作業を実演して下さり、学生らは強弱に気をつけながら先生の均一な線が描けるよう練習をしました。
学生たちは、プロの線のキレイさと描くスピードに圧倒された様子でした。

自分の好きなキャラクターならいくらでも描けるけど、そうでない場合はどうも……という学生はちょっと苦労したのかもしれません。

それでも、最終的にはどの学生も、見本通りのキャラクターを次々に仕上げていくのでした。
それにしても、県内の、大学からさほど遠くないところに、兼高先生のような現役でご活躍中のアニメーターがいらっしゃるとは、実際とても驚きました。
地方にありながらも、こうしてプロのアニメーターからお話を伺い、直接指導が受けられるアニメーション文化学科の学生たちは、本当に幸せです。
兼高先生、今後ともどうぞご指導のほど、よろしくお願い致します。
コロナの影響で思うようにならないことが多いのですが、一番気掛かりなのは、せっかく入学したのにまだ来日できないという学生たちのことです。
アニメーション文化学科では、現在6名の韓国の学生が今か今かと入国可能の日を待っているところです。
しかし、いつ来られるのかは正直誰にもわかりません。
不安だけが、増します。
そこで私たちの学科では、夏の集中講義に向け、最低限必要な機材を直接韓国の学生たちに送ることにしました。

写真で見るとちょっと大きめの箱ですが、その中身はというと・・・。

まず、LEDトレース台、タップ(用紙を固定する道具)、作画用紙が、入っています。
これだけあれば、手描きの作画作業が可能となります。
日本国内にいる学生と、一応は同じ条件で学ぶことができるのです。
次に、黒くて丸いのは「おどろき盤制作キット」なのですが、アニメーションの原理を楽しみながら学ぶことができる教材です。

さて、最後の品は何でしょうか。
正解は、スライド式の水切りラックです。
でも、この水切りラックを一体何に使うのか???
実は、作画用紙に描かれたキャラクターの動きを確認するための、簡易撮影台の材料となるのだそうです。
実際どのように使うのかについては、後日韓国の学生らに写真を送ってもらって、また報告することに致します。
とにかく、先が見えない今の状況の中で、日本に来られない留学生たちは日々不安が募るばかりなのでしょうが、今回は少しだけ、国内と国外の壁を越えた授業を楽しんでみてください。
今年のオープンキャンパスでは、アニメーション文化学科専任講師「朝霧けい」先生のクリアファイルが使われています。
中には生徒さんや保護者の方への配布資料が収められているのですが、けい先生の笑顔と共にどうぞお受け取り下さい。

「朝霧けい」先生は今後、3D制作の授業に関わるだけでなく、TwitterやYoutubeにおいても、学科および大学に関わる様々な情報発信をしてくれることになっています。
乞うご期待!
なお現在、高梁キャンパス国際交流会館1階売店では、数量限定で「けい先生」のクリアファイルを販売中とのことです
昨日、今年初めての対面でのオープンキャンパスがありました。
マスクの着用や手指消毒はもちろん、私たちの学科では特に機材の消毒も徹底して行い、生徒や保護者のみなさんを迎え入れました。
参加者の方には、3密を回避するよう座っていただきます。

学科説明をまず行い、その後は学生作品をいくつか見ていただきました。
手描きあり、デジタルの3DCGあり・・・、アニメーションの表現は予想以上に広い!

この日は、山陽放送と地元の吉備ケーブルが取材に来てくれました。
アニメ学科は絵になるものがとにかく多いはず。取材対象として、間違いありません!?
実技体験のコーナーでは、佐々木先生による「背景」の描き方実践と、キム先生による「ジャンプ動作」のアニメーション表現が行われました。

キム先生は、自分の手描きの様子を逐一スクリーンに映しながら、説明を進めていました。

生徒さんは、キム先生の実演を参考にしながら、人の跳び上がり動作を7・8枚の紙を使って再現してみるのです。
みんな初めての経験だから、まさに真剣そのもの!
出来上がったものはキム先生に講評してもらい、その後生徒さんたちはスマホで自分の作品を動画撮影して持ち帰っていったのでした。
「アニメーション制作の一歩が昨日から始まった」ことをそれぞれが実感して下さったのなら、私たちはとってこんなに嬉しいことはありません。
アニメーション文化学科では、学科HPにおいてこれまで継続的に 「教員インタビュー」 を載せてきました。
これほど多様な教師陣が揃っているところはなかなか他にはないだろう、との思いからです。
そこで今回は、現場経験の豊富な佐々木洋先生にお願いして、これまでの経歴と大学での講義内容について語っていただきました。
佐々木先生のインタビュー記事は、 こちら から。

ウチに来ている学生で「絵が好き」というのは、まさに「イラストが好き」ということなのです。
大学に入るまで実際アニメーションの制作はやったことがないけれど、イラストならもう何枚も描いてきたという学生がほとんどです。
そうした学生には、佐々木先生の「イラストレーション」と「背景美術」の授業はどれほど有益なことでしょう。
実際自分が描いたものを、著名な先生に見てもらって、そして直に指導を受けるのですから。
実は今年の夏、岡山シティミュージアムで「絵師100人展 08」が開催予定なのですが、それとのコラボレーション企画に学科の学生作品を提供しようと、現在佐々木先生の指導の下で鋭意準備中なのです。
佐々木先生のお陰で、学生の活躍する場がまた一つ広がりました。