5月25日、岡山理科大学附属高校アニメ・デザインコースの
1年生46名が、体験学習として私たちの学科に来てくれました。
こちらでの学習の中身は、コマ撮りアニメとシナリオ制作です。

コマ撮りアニメの体験授業では、
最初にカナダのアニメーション作家ノーマン・マクラレンの作品集に
収められている「マクラレンのアニメーション講座」1・2を観賞し、
それから実際に、おもちゃの車やフェルト素材のキャラクターを
背景となる緑の紙の上で自在に動かしてみました。

撮影には、コマ撮りソフト「Dragonframe」を使いました。
ソフトの扱いを覚え、課題に取り組む生徒の皆さんの真剣な姿に
キム先生の指導にも次第に熱が入ります。
体験授業の最後には、制作したアニメーション映像を皆で観賞!
楽しいアイデアとユーモア溢れる作品に、教室は明るい笑い声で
いっぱいになりました。

シナリオ制作体験では、企画 ⇒脚本 ⇒ 絵コンテ ⇒映像化
という一般的な制作の流れを確認した上で、
<文字(脚本)から映像(絵)へ>、
逆に、<映像(絵)から文字(脚本)へ>
という表現媒体の変換工程をそれぞれに体験してもらいました。
高校1年生にとっては、とても新鮮な体験の1日になったのではないかと思います。
出来れば3年後、是非ともまたこちらでお会いしたいものです。
特別なことは何もなかったゴールデンウィークだったが、
実は運よく、珍しいものを2つ手に入れた。 感謝・感謝!
① 杭州師範大学の学生たちが作ったらしい、豊子愷(ほうしがい)の
生涯を描いた人形劇風コマ撮りアニメのDVD。

豊子愷というのは、戦前の日本に留学し、竹久夢二の画に影響を受け、
その後中国で「漫画」というものを広めた著名な人物のこと。

本編のアニメの後に、学生たちのメイキング映像が収められていて、これも大変面白い。
学生同士、作り手としての共感を自然と覚えるのではないか。
教室の後ろの書架にDVDを置いておくので、みんなにはぜひ見てもらいたい。
② 市来光弘さん・松嵜麗さんサイン入りの 『ライブ!!無声アニメーション』の台本!

3月の「東京アニメアワードフェスティバル」で、アニメ100周年記念プログラムとして
日本で作られた昔の無声アニメーションを、現代の人気声優とのコラボで蘇らせるという
企画があった。
その時の台本が、後日大会のアンケートに答えた人の中から、抽選で20名に
プレゼントされたのだ。
ふむふむ、私の番号が右上の、005番か。
思わずニヤニヤしてしまう。
アンケートには、「アニメの地方化」というテーマで是非シンポジウムをやってほしい
と書いたのだが、それがまずは今回、「台本」になったということか・・・。
アニメーション文化学科2年生の西岡陽気君が描いたイラストが、
4月1日発行の「図書館だより」の表紙を飾ることになりました。
とても明るくて、春らしい作品です。

実は表紙に使われるだけでなく、本人が想像もしなかったような使われ方も
することになりました。
つまり、西岡君の絵を使って
<<< 図書館クイズ 絵に隠されたあの物語、この物語を見つけだせッ!>>>
正解の中から抽選で10名様に、なんと豪華賞品?をプレゼント。
(詳細は、図書館の掲示等でご確認を)
ただ、気掛かりなのは、描いた西岡君本人が正確な数をわかっているかどうか・・・。
大丈夫だとは思うのだが・・・。
PS. 図書館の関係者は、本人より正確な数を聞きだしているそうです!
卒業式の余韻に浸っている暇もなく、4月3日入学式がありました。
例年ならこの時期桜も満開なのですが、今年は少し遅れているようですね。

それでもアニメーション文化学科には、多くの学生が入学してくれました。
ここ数年、本学科は増加傾向なのです。

7月地元高梁でのアニメスタジオの開設、
さらにアニメーション実技の新任教員の赴任など、
入学生はこれまで以上に充実した学生生活が送れそうですね。

現在、岡山県立美術館では、「THE 世界名作劇場展」が開催中です。
あの1970年代の、あのカルピスの、あの日曜日の夜の
アニメ『世界名作劇場』のことです。
ラスカル、パトラッシュ、それに アン、ぼくたちは君たちのことを忘れない!

4月1日には、アニメーション研究家ちばかおりさんの講演があり、
ちゃっかり本にサインもいただきました。
ちなみに、オジサンになってからの日曜の夜は、毎週必ず「笑点」です。 ハハハ。
3月22日、晴天の下、学位記授与式がありました。
「文化財学部 アニメーション文化学科」の学生18名が卒業し、
後は10月入学の学生8名を残すのみとなりました。

来年の3月には、今度は
「アニメーション文化学部 アニメーション文化学科」の
卒業生を送り出すことになります。

本学科の中国人学生 I さん(右のスーツの女性)が、留学生代表として
高梁市より「方谷賞」を授与されました。
これは地元の偉人山田方谷にちなんだ賞ですが、学業だけでなく
地域への貢献が特に顕著だった学生に対して与えられるものです。
I さんは大学の留学生会の会長・副会長を歴任し、ボランティア活動にも
積極的に参加していたことが評価されました。

学生たちは、アニメーター、マンガ家、映像製作、大学院進学と、
それぞれの道を進んで行くことになりました。 ヨーソロー!
それに加え、アニメーション文化学科の生みの親・育ての親でもある
仁紙義晴先生が、今回退職されることになりました。
仁紙先生、7年間本当にお世話になりました。 ありがとうございました。
またどこかでお会いできることを、楽しみにしています。
この週末、「東京アニメアワードフェスティバル2017」(TAAF2017)
に行ってきました。
あまりにたくさんのアニメーションを一度に見たので
感想を簡単にまとめるのが難しいのですが、
実写と違って全てを自分で作るアニメーションの場合
自由度が高くて、まだまだ表現の可能性があると実感しました。

「東京アニメアワードフェスティバル」のコンペティションの評価基準は、
①先進性 ②オリジナル性 ③大衆性 ④技術力 だそうです。
この中の「大衆性」というのはTAAFの特徴だそうで、
確かにノミネート作品はいずれも、わかりやすくて面白かった。
因みに、広島国際アニメーションフェスティバルでは「アート性」を、
新千歳空港国際アニメーション映画祭では「作家性」を重視する
傾向があるとのこと。 なるほど、なるほど。

長編部門のグランプリに選ばれた「手を失くした少女」の監督、
Sébastien Laudenbach氏へのインタビューの様子です。
この作品はグリム童話を素材にしているのだが、残酷さと宗教性が色濃い
もとの話から、たくましく生きるひとりの女性の話へと見事に変身していました。

パネルディスカッション「日本のアニメーション教育の多様性(ダイバーシティ)を考える」の様子。
アニメーションがいとも簡単に国境を越えること、と同時に
各国がそれぞれの事情を抱えながらアニメーションを作っていることの
両方がよく分かる内容で、とても面白かったです。
来年度キム先生をお迎えし、学科もまさにダイバーシティ時代です。
—————————————–
当学科の大谷先生のコメントが、3月9日の朝日新聞デジタル版に掲載されました。
<記事はこちらから>
悔しいことに「ネット上の倫理問題に詳しい吉」で切れているのですが
(クイズ:「吉」の後にはいったい何が来るかな?)、
無料登録すれば簡単に続きを読むことができます。
ぜひとも、全文をお読みください。
皆さま、こんにちは。キム・イェオンです。
昨年の12月より、韓国のアニメーションに関する情報を書かせていただいております。
本日の最終回では、韓国の文化コンテンツ育成のため設立された韓国コンテンツ振興院で、
最近まで行っていたアニメーション関連の事業とその成果をご紹介させていただきたいと思います。
韓国コンテンツ振興院では、2016年6月から2017年2月まで、
「創意人材同伴事業」という支援事業を行いました。
この事業は、アニメーション、映画、公演、漫画、デジタルアートなどの分野で
これから活躍するコンテンツ創作者を育てるために、
韓国の文化庁と韓国コンテンツ振興院が、各分野のプロフェショナルと運営機関を選定し、
創作活動に必要な実務教育を、参加者に提供する内容になっています。
アニメーションの分野では、前回の記事で紹介させていただいた韓国独立アニメーション協会が
事業の運営機関として選定され、10人のプロフェショナルによる、
ウェブアニメーション制作の実務教育を23人の参加者に提供しました。
この事業の実施期間中に制作されたウェブアニメーションシリーズは、
Youtubeなどの動画サービスチャンネルを通じ、ウェブ上の連載という形で公開されました。
様々な魅力を持つアニメーション作品から、
一部の作品をキャプチャー画像と動画へのリンクでご紹介致します。

「相対性理論」 ジョン・ダヒ監督
登場人物の姿を通じ、お互いの差異を尊重できるかについて問う作品 (写真提供 KIAFA)
<第1話>

「黒いワニ」 ジャン・ナリ監督
現代を生きる青年の不安を表現した作品 (写真提供 KIAFA)
<第1話>

「宇宙パンシャトル」 ヨン・チャンウ監督
社会的イシュー、ブラックコメディ、パロディー要素を含んだ作品 (写真提供 KIAFA)
<第1話(韓国語セリフ)>
お時間のある時に、ぜひご覧になっていただけると嬉しいです!
皆さま、こんにちは。
韓国よりお送り致します、キム・イェオンです。
本日は、韓国独立アニメーション協会(KIAFA)を紹介したいと思います。
KIAFAは、アニメーションを制作するクリエーター、関係者が集まる団体です。
KIAFAの事務局では、
アニメーションに携わる人々の創作活動と人材交流に活力を与えるという目標を持ち
アニメーション映画祭の開催や会員の作品管理・配給など、様々な事業を行っております。
その中でも、毎年秋に開催されるアニメーション映画祭「インディアニフェスト」は、
アニメーションを学ぶ学生、プロフェショナルの作家を問わずに作品の応募ができ、
海外からの招待作上映も充実しているので、韓国の観客にとっては
新しいアニメーション作品を堪能できる上映と交流の場となっております。

・映画祭に伴う作品展示にて、ナ・ギヨン会長 (青江文化産業大学 教授) (写真提供 KIAFA)

・スタジオジブリの参加で韓国でも話題になったアニメーション、
「レッドタートル ある島の物語」マイケル・デユドク・ドゥ・ヴィット監督とのSkypeトーク
(写真提供 KIAFA)
アニメーション作品の配給事業では、
現在、727本の韓国のアニメーション作品がKIAFAと契約を結んでおり、
様々な上映の場や媒体を通じて観客に出会う機会を得ています。

・花咲くコリア・アニメーション2016 名古屋会場にて、
「Little King」キム・ヘミ監督の上映トーク(写真提供 KIAFA)
また、インディアニフェストは昨年より、アジアの各国からも作品公募を始めております。
日本でアニメーションを制作している皆さんにも、ぜひご自身の作品を応募して頂き、
韓国で作品の上映と交流を楽しんで頂く日が来たらと思います!
2月17日(金)の午前、
「平成28年度吉備国際大学 研究部門自己点検・自己評価委員会総会」
が開かれました。
本学科の今村先生が、
「学士力向上を踏まえたアニメーション制作支援環境の構築」
という演題で発表を行いました。

さらに続けて、同日の午後、
「第4回吉備国際大学 地(知)の拠点シンポジウム」が開催される。
本学科の教員清水と学生のTさんが
「高梁カフェの物語(ナラティブ) ~イラスト表現とともに~」
という演題で発表しました。

聴衆が驚いたのは、Tさんが描いたイラストの巧みさ!
写真を参考にしているはずだが、人様のお店を描くのは実は難しい。
お店のイメージを損ねてはいけないから、とても気を使うのだ。
でもTさんの画では、4つのカフェの特色が上手に描かれていたと思う。

画だけでなく、発表の態度や言葉もすばらしかった。
人前での本格的なプレゼンは初めてのはずなのに、安心して見ていられた。
内に秘めたこの強さがあれば、来年度のインターンシップもきっと大丈夫だ!
大人になれば、人から褒められることはほとんどないから、
今回褒められたことを大事にしてほしい、とも伝えておいた。
皆さま、こんにちは。
韓国よりお送り致します、キム・イェオンです。
本日は、韓国・ソウルの「ソウルアニメーションセンター」を紹介したいと思います。
地下鉄「明洞駅」から、徒歩15分ほどで着く場所です。

・明洞駅3番出口 アニメーション「ロボカーポリー」のフィギュア
アニメーションセンターまでの通り道は、「漫画の街」と名付けられ、
韓国国内の漫画・アニメーションの壁画や、フィギュアが見られます。

・漫画文化空間「ゼミラン」
坂道を少し登ったところの、漫画文化空間「ゼミラン」は、
展示やVRコンテンツゲーム、読みものを楽しめるスペースとなっており、
家族や友だちとも入りやすい明るい雰囲気の場所でした。

・「漫画の坂」を飾る韓国漫画40選

・「ソウルアニメーションセンター」
1999年に、ソウル市が国内の漫画・アニメーション産業を支援するため設立したこちらの施設は、
アニメーション映画専用上映館や専門技術支援室の運営で知られている他、
子どもの発達に役立つアニメーション制作体験プログラムも実施しているので
家族単位での訪問も多いことが特徴です。

・ ストップモーション体験室

・ アニメーション専用上映間「ソウルアニシネマ」
また、ソウルアニメーションセンターは、アニメーション作品の制作支援事業も行っており、
2006年から2015年まで、この事業の成果として120作を超える短編アニメーションが制作されました。
韓国でアニメーションを制作する人にとっては、馴染みのある場所であると思います。
もし韓国を尋ねる機会がありましたら、
「ソウルアニメーションセンター」にも足を運んで頂けると嬉しいです。