2017 年 6 月 26 日

日本アニメーション学会 第19回大会

この週末、日本アニメーション学会 第19回大会に、参加してきました。
会場は、はるか北の青森県立美術館です。

会場正面

青森県立美術館が日本アニメーション学会の会場になったのは、
この美術館がサブカルチャーの収集・展示に力を入れているからです。

その代表が、誰もが見たことのあるはずの、これです。

案内版

いえ、案内板じゃなくて、奈良美智の作品「あおもり犬」です。

犬

実際にこの目で見たときには、とても愛くるしい陽気な犬だったのに、
写真にするとなぜだかとても悲しげに見えたりします。
確かにその後姿は、ちょっと悲しげだったのだが・・・。

奈良美智の「少女」と同じで、怒っているのか、笑っているのか、
憎んでいるのか、愛しているのか・・・。

ところで、今回の出張の目的はあくまでアニメーション学会です。
ですから、「あおもり犬」も一つのキャラクターとしてここでは紹介しました。

学会案内
ウルトラマン

ウルトラマンのキャラクターデザインを手掛けた成田亨も、
実は青森県の出身とのことでした。

学会会場の青森県立美術館は、何と三内丸山遺跡と接していました。

遺跡

実は、「あおもり犬」も、ウルトラマンも、ここで見つかった数々の土偶も、
時空を越えたキャラクターとして繋がっていたのです。
もちろん、キャラクターに託す思いはそれぞれの時代によって
異なっていたのでしょうが。

別に遊んでいたわけではないのですが、
降り立った青森駅からして、すでに一つの物語になっていました。

廃線の行き先は、かつて青函連絡船として使われていた八甲田丸です。

廃線
十和田

★ところで、6月29日夜のTV「ポケットモンスター」に、是非ご注目を!
この春、総社のアニメスタジオ「えかきや」に就職したF君の名前が
この日初めて番組最後のクレジットに載ることになったのです。

それは、彼が自分のクセのある線をTVアニメ用のきれいな線に
頑張って修正したということなのです。

今後のF君の活躍にますます期待しています。

2017 年 6 月 19 日

福岡オープンキャンパスに行ってきました!

6月17日、福岡市スカラエスパシオで、九州保健福祉大学と吉備国際大学の合同オープンキャンパスが開催されました。

会場案内
オープンキャンパスの看板。会場の1階には、おしゃれ家具で有名なカッシーナエックスイーも入って、とてもおしゃれなビルです。

場所は、福岡市の中心・天神の一角。近くには、天神ロフトの大きなビルもあって、とても賑やかです。

Tenjinloft2
天神ロフトの1階にはホビーショップもあって、ショーケースには気になるものがいろいろ並んでいます。

合同オープンキャンパスは、各学科がブースを出して、それぞれに工夫を凝らして、学科をアピールしています。本学科は、こんな感じで設営しています。学科の学生が描いたのぼりやポスターなど、手作り感でデコレートします。エンドレスで、キム先生の大学院修了のアニメーション作品(日々の罪悪)と、卒業制作3作品を上映しました。

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設営風景その1。学生が描いたポスターを貼りました。強烈なキャラクターは、学生オリジナルの「Yoking」。

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設営風景その2。のぼりも学生作品です。こののぼりのおかげで、結構会場で本学科ブースは目立っていました。

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設営風景その3。学生作品の「紅い果実」が流れています。PCの画面は、学生のイラスト作品のスライドショー。

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設営風景その4。キム先生のレトロなポスターも張りました。これで、準備完了です。

会場を訪問してくれたのは、博多高校の生徒の皆さんと、地元の高校生・保護者のみなさん。たくさんの高校生がブースを訪ねてくれましたが、ブログをこうして書いている本人が対応中なので、写真は撮影できませんでした。残念。アニメを見るのが好き、絵を描くのが好き、英語が好き…といろいろな高校生と話すことができました。

特待生制度もできたので、ぜひ来年、または、2年生は再来年にどうぞ受験してくださいね。特待生制度の詳細は、募集要項をご覧ください。(文責:お)

2017 年 6 月 18 日

驚愕の「夢ナビライブ」

6月17日、「夢ナビライブ」という進路説明会に参加してきました。

「夢ナビライブ」のおもしろいところは、自分の大学や学科の宣伝をするのではなく、
担当した学問分野の説明を私たち教員がその代表として行うというところです。

会場

会場は、大阪の海遊館近くにある「インテックス大阪」という巨大なイベントホールでした。

フェリー

会場の向こうには、港に入る大型フェリーの姿も見えました。

実は、この「夢ナビライブ」のすごいところは、その来場者数の多さです。
昨年は何と、およそ25,000人の参加があったそうです。もちろん、高校生。

三人

「アニメーション学」を代表し?紹介するのは、我ら3人。
開始直前のため、何だか顔がちょっと緊張しています。

生徒たち

この日は結局、昨年を上回る30,000人近くの高校生が来てくれたそうです。
う~ん、これは高梁市の人口に匹敵するほどの数ではないか。

彼らをあのフェリーに乗せて連れ帰れば、
高梁の少子高齢化問題は一気に解決するのだが・・・、
と思わず妄想が!!!

2017 年 6 月 9 日

共生高校の皆さんの手描きアニメーション

6月7日、共生高校の皆さんが、今度は手描きアニメーションに挑戦してくれました。

1回、2回、3回と、はずむボールの動きを、手描きのアニメーションでリアルに再現することが、今回の課題です。

描く

簡単そうな課題ですが、ボールの動きには実は様々な要因が隠れています。

   ボールの高さは? 速度は? ゆがみは? 
   サッカーボール? それともテニスボール? 
   地面は土? それともコンクリート? などなど。

こうしたことまで考え出すと、もう容易には筆は進みません。

撮影

それでも何とか20枚程度描いたら、今度はそれをデジタル撮影し、パソコンに取り込みます。
そして、滑らかな運動になるよう、動きの確認をしながら編集作業を行うのです。

ボール12

最後はいつもの上映会です。
一人ひとりのボールが、まるで違って見えるのがおもしろい!

中には、ボールが前面から後方へと飛び去ってゆく様子を描いた生徒さんもいました。
平面の中に、奥行きのある空間をボール1つで描いているわけですから、
これはスゴイ!!!

キャラ

課題が早く完成した人は、何もいわれなくても勝手にキャラクターを作っていました。
画を描くことが好きな人は、いつでもどこでも半ば自動的に手が動き出すみたいです。

それぞれの好きなことが、いつか将来の職業にうまく結びつくよう、心から願ってやみません。

2017 年 6 月 6 日

学科教員のイタリア出張報告

イタリア・トリノ出張中の大谷です。

CEPE/Ethicomp2017という情報倫理学分野で一番盛んな国際学会に参加しています。写真は、ホテルの床に置いて先ほど撮影した、参加者がもらえるバッグです。

CEPEethicompbag
CEPE/Ethicomp2017参加者がもらえるバッグ。すごい頑丈そうで、会場で資料を入れるだけでなく、とてもよい学会参加の記念になりそうです。

会場のトリノ大学の写真は、学会初日は、あまりにもひどい雨で、撮影する元気が出なかったのですが、今日やっと撮影ができました。モダニズムのなんかすごい建築です。すごすぎて、会場移動で迷いそうになるほど。

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CEPE/Etchicomp2017の会場のトリノ大学。ものすごく歴史のある古い大学ですが、建物は非常にモダンで、おしゃれ。広いし、電源も各教室にあって、勉強研究ともにはかどりそうですね。

学会初日は道に迷ってしまったのですが、道を聞いた女性が大雨の中道を丁寧に教えてくれて、とてもありがたかったです。ほかにも困っているととてもみんな親切で、イタリア人いい人たちだなーと思う出張でした。トリノの人は特に親切って話も、ウェブには書いてありますね。

学会参加に加えて、空き時間に、情報倫理学関係の情報を求めて、市内を歩いているうちに、アニメやマンガに関係するいろいろなものも見つけました。

道端に古書市が立っている通りがあるのですが、そこでは、棚や平台にアメコミといっしょに、日本のマンガも並んでいます。どちらかというと主流はアメコミで、ヨーロッパで人気がある日本のマンガがそれにくっついて並んでいる感じです。アニメは、北斗の拳のDVDが置いてあって、コミックスもありました。

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ハリウッド作品などに交じって、北斗の拳のDVD。

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コミックスは、アメコミが人気のようです。

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こちらは、日本のマンガが、アメコミに交じって並んでいます。

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イタリア語版の日本のマンガの背表紙。

以下、イタリアのアニメ事情を示した情報によると、結構古いアニメが人気のようです。テレビで放映されて、子供のころ好きだったという感じなのでしょうね。古書市にはアニメのDVDがあまり見当たらないので、次に機会があれば、DVDショップをのぞいてみたいところです。
イタリアのアニメ事情はこちらから

古書市には、日本のあのアニメやマンガの影響を受けたのかなという同人誌もありましたよ。

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Dojinshi2
日本のアニメ・マンガの影響が色濃い感じの同人誌。

さらに町を歩くと、閉店している美術書の本屋さんのショーケースにはルパン三世も。牢屋に入っているような演出ですが、確かに銭形のとっつぁんは見当たりませんね。お店が開くと、ルパン三世と仲間たちが大活躍するかもしれませんね(泥棒・犯罪じゃなくて、きっと人助けか何かで)。

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牢屋に入れられたルパン三世と仲間たち??

ルパン三世がこれだけ大きく飾られているのは、2015年のルパン三世シリーズのおかげかもしれないですね。同シリーズは、イタリアのテレビでまず公開されてから、日本でも放映が始まったという、ちょっとユニークな公開の仕方でも話題になりました。外国人ファンをまずは取り込もうという戦略から、舞台をイタリアに、そして、イタリア先行公開をしたとのこと。下記の記事が参考になりますよ。
ルパン三世を含む、日本のアニメの海外進出に関してはこちらから

ただし、2015年版ルパン三世のスーツは青なので、ちょっと色が違うかも?

また、キャラクター関係では、日本のアニメやマンガのキャラクターがイタリアでは人気のようです。ポー通りという町の大きな通り沿いのショップでは、ドラえもんやピカチュー、ハローキティなど、おなじみのキャラクターのぬいぐるみがショーケースに飾ってありました。

Showcase
日本のキャラクターのぬいぐるみが飾られたショーケース。お土産物屋さんですね。

日本にも進出しているフランスの雑貨ブランド、Pylonesのお店もこの通りにはありました。ちょっとキッチュな感じのおしゃれなデザインが素敵です。

Pylones
フランスのおしゃれ雑貨のお店。かわいくおしゃれなキッチュなデザインが素敵ですね。

町で見つけた、おしゃれ雑貨が置いてある本屋さんには、アニメや特撮(スターウォーズやスタートレック)関連の本が並んでいました。別の棚には、折り紙など日本関連のものもあって、本屋の中を見ると、アニメもポップなサブカルチャーという扱いなのかなあと想像します。ただし、日本関連のアニメは、残念ながらあまりなくて、ディズニーや海外のアート系のアニメの情報が多かったように思います。

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animedana2
animedana3ディズニーなどのアニメ作品が並ぶ本棚。日本のアニメの存在感は、ここではそれほどでもない感じ。アメリカっぽいものがいっぱいですね。

情報倫理学関係で注目すべきは、スマートフォンのケース・カバーのお店が何軒もあることでしょうか。スマホは単なる連絡手段ではなく、ライフスタイルや自分の趣味・センスを示すアクセサリーやファッションとしての性質も持ちますが、スマホのケースやカバーの専門店が何軒もあるのは、トリノの人がこの性質を重視しているという証拠かなとか想像します。

しかし、情報倫理やインターネット・コンピュータ関係の書籍が見当たらないので、また空き時間に探してみようと思います。現場からは以上です。なお、現地事情を紹介するため、いろいろな本やDVDのパッケージを撮影しましたが、著作権侵害の意図はないので、もしご迷惑な場合にはご連絡ください。

The author don’t intend to infringe the copyright of the artistic works which he included in this article to show the cultural situation in Turin.Dear their copyright holders, if you wouldn’t want to include your works in this article, please contact the author (ootani@kiui.ac.jp). He will delete the pictures from the article along with the copyright holders’ intention.

2017 年 5 月 31 日

共生高校「情報メディアコース」の生徒さんの体験学習

今日は、新見市にある共生高校「情報メディアコース」の
生徒さんをお迎えすることになりました。

昨年もこの時期、共生高校の生徒さんには来ていただいたのですが、
その後の1年間、実にいろいろなことがありました。

・ 昨年の夏、総社市にアニメスタジオができ、今年春の卒業生が
  1名そこに就職しました。
  現在彼は、アニメーターの道をまっしぐら。

・ 高梁市にも、今年の7月アニメスタジオが開設予定。
  どのようなスタッフが揃うのか、今からとても楽しみです。

・ 日本動画協会とアニメ業界、アニメ教育機関が協同設立した
  「アニメ人材パートナーズフォーラム(AJPF)」に、
  本学科がいち早く加盟。
 
生徒さんにこうしたことをお話した上で、今日の体験学習が始まりました。

井上先生

イタリアのボローニャ大学を訪れ教育協定を結び、前日帰国したばかりの
井上先生による講義「世界に広がる日本のアニメ」。

キム先生

キム先生による、
アニメーションの古典とも言われるような海外の作品の紹介と
コマ撮りアニメーションの制作体験。

次回の6月7日は、「手描きアニメーションに挑戦」です。
共生高校のみなさん、お楽しみに!

2017 年 5 月 26 日

理科大附属高校1年生のアニメ体験学習

5月25日、岡山理科大学附属高校アニメ・デザインコースの
1年生46名が、体験学習として私たちの学科に来てくれました。

こちらでの学習の中身は、コマ撮りアニメとシナリオ制作です。

生徒

コマ撮りアニメの体験授業では、
最初にカナダのアニメーション作家ノーマン・マクラレンの作品集に
収められている「マクラレンのアニメーション講座」1・2を観賞し、
それから実際に、おもちゃの車やフェルト素材のキャラクターを
背景となる緑の紙の上で自在に動かしてみました。

キム先生

撮影には、コマ撮りソフト「Dragonframe」を使いました。
ソフトの扱いを覚え、課題に取り組む生徒の皆さんの真剣な姿に
キム先生の指導にも次第に熱が入ります。
体験授業の最後には、制作したアニメーション映像を皆で観賞!
楽しいアイデアとユーモア溢れる作品に、教室は明るい笑い声で
いっぱいになりました。

清水

シナリオ制作体験では、企画 ⇒脚本 ⇒ 絵コンテ ⇒映像化 
という一般的な制作の流れを確認した上で、

 <文字(脚本)から映像(絵)へ>、
     逆に、<映像(絵)から文字(脚本)へ>

という表現媒体の変換工程をそれぞれに体験してもらいました。

高校1年生にとっては、とても新鮮な体験の1日になったのではないかと思います。
出来れば3年後、是非ともまたこちらでお会いしたいものです。

2017 年 5 月 9 日

何もなかったGWだが・・・

特別なことは何もなかったゴールデンウィークだったが、
実は運よく、珍しいものを2つ手に入れた。 感謝・感謝!

① 杭州師範大学の学生たちが作ったらしい、豊子愷(ほうしがい)の
生涯を描いた人形劇風コマ撮りアニメのDVD。

表紙

豊子愷というのは、戦前の日本に留学し、竹久夢二の画に影響を受け、
その後中国で「漫画」というものを広めた著名な人物のこと。

開き

本編のアニメの後に、学生たちのメイキング映像が収められていて、これも大変面白い。
学生同士、作り手としての共感を自然と覚えるのではないか。
教室の後ろの書架にDVDを置いておくので、みんなにはぜひ見てもらいたい。

② 市来光弘さん・松嵜麗さんサイン入りの 『ライブ!!無声アニメーション』の台本!

サイン

3月の「東京アニメアワードフェスティバル」で、アニメ100周年記念プログラムとして
日本で作られた昔の無声アニメーションを、現代の人気声優とのコラボで蘇らせるという
企画があった。

その時の台本が、後日大会のアンケートに答えた人の中から、抽選で20名に
プレゼントされたのだ。
ふむふむ、私の番号が右上の、005番か。
思わずニヤニヤしてしまう。

アンケートには、「アニメの地方化」というテーマで是非シンポジウムをやってほしい
と書いたのだが、それがまずは今回、「台本」になったということか・・・。

2017 年 4 月 12 日

「図書館だより」に学生のイラストが

アニメーション文化学科2年生の西岡陽気君が描いたイラストが、
4月1日発行の「図書館だより」の表紙を飾ることになりました。
とても明るくて、春らしい作品です。

表紙2

実は表紙に使われるだけでなく、本人が想像もしなかったような使われ方も
することになりました。
つまり、西岡君の絵を使って 
<<< 図書館クイズ 絵に隠されたあの物語、この物語を見つけだせッ!>>>

正解の中から抽選で10名様に、なんと豪華賞品?をプレゼント。
(詳細は、図書館の掲示等でご確認を)

ただ、気掛かりなのは、描いた西岡君本人が正確な数をわかっているかどうか・・・。
大丈夫だとは思うのだが・・・。

PS. 図書館の関係者は、本人より正確な数を聞きだしているそうです!

2017 年 4 月 5 日

入学おめでとう!

卒業式の余韻に浸っている暇もなく、4月3日入学式がありました。
例年ならこの時期桜も満開なのですが、今年は少し遅れているようですね。

sakura

それでもアニメーション文化学科には、多くの学生が入学してくれました。
ここ数年、本学科は増加傾向なのです。

siki

7月地元高梁でのアニメスタジオの開設、
さらにアニメーション実技の新任教員の赴任など、
入学生はこれまで以上に充実した学生生活が送れそうですね。

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現在、岡山県立美術館では、「THE 世界名作劇場展」が開催中です。
あの1970年代の、あのカルピスの、あの日曜日の夜の
アニメ『世界名作劇場』のことです。
ラスカル、パトラッシュ、それに アン、ぼくたちは君たちのことを忘れない!

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4月1日には、アニメーション研究家ちばかおりさんの講演があり、
ちゃっかり本にサインもいただきました。

ちなみに、オジサンになってからの日曜の夜は、毎週必ず「笑点」です。 ハハハ。