2018 年 8 月 23 日

ボローニャからのお客様②

イタリア・ボローニャの高校生と大学生を迎えてのアニメ講座、第2弾です。

前回は台風のせいで到着が遅れ(上海で2日間足止め)参加者が少なかったのですが、今日はめでたく全員出席です。

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岡山での一ヶ月の滞在中、淡路の農学部訪問、本格握り寿司体験、伝統和菓子作りに挑戦など、ずいぶんディープな日本を堪能したらしいです。
中には、アニメよりも和食に心が動いたという学生もいたそうで、それはちょっと オイオイ!です。

それでも若い人たちはゲイシャ・フジヤマではなく(ちょっと古過ぎか)、旬の日本を上手に楽しんでいますね。

帰国後日本のマンガやアニメを改めて見てみる機会があれば、「あっ、これ日本で見た見た、これ食べた食べた」と、きっと内容理解が一段と進むことでしょうね。

またのお出でを楽しみにしております。チャオ!

2018 年 8 月 9 日

VTuberハッカソン岡山大会 in 高梁、吉備国際大学で開催!

西日本を中心とする豪雨災害のあった高梁川流域をはじめとする各地域の方々にお見舞い申し上げます。

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みなさん、VTuber(バーチャルユーチューバー、ブイチューバー)はご存知でしょうか?YouTuber(ユーチューバー)は、YouTubeを使って自分の番組を提供する人のことですよね。ヒカキンさんとかが有名。VTuberは、人間に代わって、YouTubeを使って番組を提供する2Dや3Dのキャラクターのことです。かわいいキャラクター(だけではないですが)がいろいろ個性的な番組をもっていて、一昨年暮れあたりから爆発的に注目を集めるようになりました。キズナアイちゃんなどが有名です。

このVTuberをみんなで開発して、それを競い合おうというイベントが、VTuberハッカソンです。昨年(2017年)VR系ニュースメディアのPANORA社が主催し、第1回全国ツアーが開催されました。「VRコンテンツをつくるのっておもしろい!」と多くの開発者やユーザーに気づいてもらい、VRコンテンツ開発・制作をより盛り上げていこうという意図だそうです。

ちなみに、「ハッカソン」とはハック+マラソンの略称。ハックとは(コンピュータを使って悪いことをすることではなく)、コンピュータやさまざまな情報技術を使ってその技術の限界を試すように、面白いことをすること。VTuberハッカソンは、2日間かけてVTuberをみんなで開発し、その出来栄えを競い合うというイベントです。

今年第2回はさらに規模を拡大して、海外1会場を含む全国13の地方会場で実施し、それぞれの優秀賞チームを集めてプレミアム大会を東京で実施します。岡山では、高梁市の吉備国際大学が会場になります。

VTuberハッカソン岡山大会 in 高梁(総合主催:PANORA、主催:岡山Unity勉強会)は、9月15日~16日、吉備国際大学高梁キャンパス国際交流会館2階多目的ホールで開催します。参加費は無料。開発者および運営スタッフ(手作りの大会なので、ボランティアになります)を募集しています。

かわいいVtuberの絵を描きたい、番組のシナリオを書きたい、アニメなど新産業で地域の復興に貢献したい、Unityでアニメーションをつくりたい(つくれる)…などなどいろいろな特技や意欲をもった人の参加を募集します。複数の仲間でチームをつくって参加することも、単独(または少人数)で参加してほかの参加者とチームを組むこともできます。

詳細は、VTuberハッカソン岡山大会 in 高梁の案内ページでご覧ください。

さらに10月にはゲームジャム高梁を今年はさらに規模を拡大して本学で開催します。こちらも参加者・見学者なども募集しています。お知らせをお待ちください。

2018 年 8 月 2 日

秋卒業生の卒業制作発表会

7月31日、この秋卒業予定の学生の卒業制作発表会がありました。

今回発表した学生たちは実は全員が3年次編入の留学生で、短期間のうちに日本語もアニメも同時に学ぶというのは、きっと大変なことだったろうと思います。

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手法や作風、さらにテーマの異なる学生作品が、次々に上映されました。

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上映後には、制作者自らが作品の解説を行うのですが、作品に込めた思いが見ている人にちゃんと伝わったかどうか、このとき発表者はみんな本当にドキドキです!

作品を一旦完成させてしまうと、今度は逆にどこかで悔いも残るものなのでしょうが、クリエイターはそうした苦い思いを抱え込みながら、それでも前を向いて作り続けるしかないのだろうと思います。

どうぞ卒業後もアニメーションを愛して、自分の作品を作り続けてください。

2018 年 7 月 23 日

ボローニャからのお客さま

教室に入ってみると、うん、 何だかおかしい! 人数が足らない!
私が熱中症というわけでもないだろうし・・・。

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確認してみると、どうも台風の影響で、イタリアからの飛行機がまだ日本に着いていないらしい。

そのため今日の参加者は、先発組みのボローニャ大学生1名、同地の高校生1名とその同伴の先生のみということでした。

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写真の場面は、本学科の井上教授が、高橋留美子の『らんま1/2』に出てくるお好み焼きの話をしているところです。

お好み焼きを食べたことがなくても、それがどういうものかは『らんま1/2』を見て知っている外国人は多いとのこと。
マンガやアニメが日本の現代文化の情報発信源になっている一例です。

でも、勘違いしないで下さいね。
日本人の誰もが、久遠寺右京のように背中に大きなヘラを担いでいる訳ではありません!!!
いやいや、そんな人は誰もいません!

8月23日には再度高梁で講座が開かれるのですが、その時には全員がそろっていることを願っています。

2018 年 7 月 14 日

ロシア研修団のアニメ講座③

ロシア混成団の今週の学習は、スキャナーで読み取ったキャラクター動画と背景画に色をつけ、最終的にそれらをうまく組み合わせるという作業です。

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まず、デジタル化された画像を、フォトショップで確認します。

次に、白黒状態のキャラクターの各パーツに色付けを行います。

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すると、こんな白黒キャラクターが、

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何と実は、こんな正体だったということがわかります。エ・エ・エ!

キャラクターの色付けが終わると、今度は背景の仕上げです。

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童話風の背景もあれば、

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ロシア人の描くデトロイト市街地?もあるのでした。

最後に、アフターエフェクトというソフトを使って12枚の動画を動かし、背景と組み合わせます。

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すると、象も空を飛びます? いやいや、飛んじゃダメでしょう。課題は「歩き」なのですから。
――そこには、いろいろとロシア的な事情があったのだろうと思います。

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3週間(延べ5日間)にわたるアニメ講座、お疲れさまでした。

ほとんどの人がアニメを作るのが初めてだったので、ずいぶん苦労もしたのだろうと思います。
でも、自分の作ったキャラクターが動いた時の喜びは、それぞれ体験できたはず。

今回の講座は、大雨の中、全学休講の中、色々な人の協力のおかげで、何とか実施することが出来ました。
学生たちがそれをどれほど理解してくれていたのかよくわかりませんが、こちらとしては色々な意味で忘れられない講座となりました。

参加してくれた学生らに、アテンドの方に、そして大学のスタッフの方に、とにかくスパシーバ!!!です。

明日、7月15日は、オープンキャンパスです。
日本の高校生も、ロシアの学生たちが学んだ教室で、同じようにアニメ制作体験をしてみよう!

2018 年 7 月 7 日

ロシア研修団のアニメ講座②

大雨の中、昨日のロシア研修団の授業は、レナト先生の「日本アニメの歴史」からスタート。

もちろん、すべて英語で行われたのですが、学生たちは日本語よりは英語の方が達者なようで、レナト先生の話に相槌を打ちながら楽しそうに聞いていました。

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イギリス人が日本の高梁で、ロシア人・ベルギー人・オーストラリア人を相手に日本のアニメについて講義しているという不思議な時間・空間を体験させてもらいました。

午後はまた、キム先生のアニメ実技授業の続きです。

前回までにそれぞれのキャラクターが創作されたので、今回は12枚の紙を使ってキャラクターに「歩き」の動作をつけていきます。

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不自然な動きにならないように、細心の注意を払います。目が真剣!

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描かれたものを小型カメラで撮影して、PCモニターで動きのチェックも行います。

それで問題がなければ、スキャナーによる本格的な取り込み作業となります。

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作業が順調に進んだ人から、今度は背景の作成に進みます。
キャラクターがその前を歩くための背景です。

それぞれが自分のキャラクターにふさわしい背景を描いていくのですが、実写と違ってアニメーションの場合は「世界全体」を自ら創造するのだ、ということがよくわかる作業です。

さて、外国の学生たちがどのような世界観を見せてくれるのか、とても楽しみです。

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今回岡山外語学院から学生たちを引率して来てくれたのは、今春外国語学部(岡山キャンパス)を卒業したばかりのAさんでした。

大学で学んだことを活かしながら、夏にはインドネシアに出かけ、日本への留学を希望している人たちに日本語を教えることになっているとか。

世界での活躍を祈っています。
そして、世界に日本のアニメの素晴らしさをぜひとも紹介してください。

2018 年 7 月 3 日

音づくりワークショップを開催

6月30日(土)は、アニメーション文化学科1年生・2年生を対象として、ソフトを使って簡単な作曲とアレンジを学ぶ研修会が開かれました。

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写真1 まずは、吉永先生の紹介から。アニメーション文化学科の前嶋英輝先生によるご紹介。

講師は、倉敷市を拠点に音楽活動を展開するシンガーソングライター・ミュージシャンの吉永拓未先生。ほかのアーティストに楽曲を提供したり、イベントプロデュースなども手掛けたりしているそうです。谷村新司さんやハジ→などの超ビッグなアーティストとのコラボ活動もしています。

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写真2 吉永拓未先生。岡山県・倉敷を拠点に音楽活動を展開するシンガーソングライター。YouTubeで、オリジナル曲「mySTAGE」の<MV>を視聴できます!

作曲とアレンジは、スタインバーグ社(ドイツ)の音楽制作ソフトCUBaseを使って行います。CUBaseは、MIDIデータで自動演奏ができるMIDIシーケンサ機能と、音楽の録音・編集・ミキシング・編曲などができる機能(こういう機能を持つソフトウェアをDAW(ディジタルオーディオワークステーション)といいます)をもつソフトウェアです。本学のアニメ第2教室のWindowsパソコンには、このCUBaseがインストールされていて、自分が制作したアニメにこのソフトを使って、オリジナルの音楽をつけることもできます。

この日の研修会では、吉永先生があらかじめ用意した楽曲をもとに、いろいろな楽器の音色の音を組み合わせて、自分のアレンジの曲をつくっていくというやり方で、CUBaseを使った楽曲のつくりかた・編集などを学ぶことになります。

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写真3&4 画面を示しながら、CUBaseの基本的な使い方を説明。

さまざまな音をブロックのように組み合わせてつくることもできるし、パソコンにつながった、小学校の頃に使ったピアニカをほうふつさせるようなミニ鍵盤を使って、ピアノを弾くように音楽をつけることもできます。アニメーション文化学科1年には音楽経験者の学生もいて、何かわからないことがあると、彼の近くの子たちは彼に聞いて、音楽のアレンジや楽器の追加を行っていたようです。

「チキチキチキシャーン」といった感じのかっこいいドラムソロを入れてみるという学生もいました。センスがあれば、楽器ができなくても、楽譜が読めなくてもいろいろな音楽の遊び方・楽しみ方・作り方ができるのが、こうしたMIDIシーケンサ+DAWソフトの魅力です。

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写真5&6  学生にCUBaseの使い方を指導する吉永先生。

授業の2コマに相当するたっぷり3時間を使って、CUBaseを使ったサウンドづくりを学生たちは学び、楽しんだようです。

吉永先生は、来年から本学科で音響演習A・Bを担当していただきます。映像の制作に加えて、オリジナルのBGMや音楽を映像につけていけることで、学生たちの表現の幅が格段と広がりそうですね。

2018 年 6 月 29 日

ロシア研修団のアニメ講座①

本日、ロシア研修団のアニメ講座が本学科で始まりました。
今年で、2回目になります。

なお、ロシア研修団といっても実は、ロシア7名、ベルギー1名、オーストラリア1名からなる混成チームです。
それでも、みんなアニメが大好きだから、心は一つです。

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講座は、日本のアニメについての講義と、アニメーション制作の実技に分かれていているのですが、まずは井上先生の講義からスタートしました。

ゆっくり話せば学生たちは何とか理解できているようなので、まずは一安心。 ホッ!

それに嬉しいことに、昨年のリピーターさんが一人いて、彼女が先輩として説明を補ってくれることもあるのです。もちろん、ロシア語で。

午後からは、キム先生の実技講座です。
最初に、今回の学習内容全体についての説明がなされました。

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今回の目標:
アニメーション制作に必要な行程を一通り学習した上で、最後は参加者の一人ひとりがオリジナルのアニメーション作品を作ってみよう。

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自分のアニメーションを作るということが知らされると、学生たちの目が俄然真剣になってくるのでした。

キム先生は、最後は個々の学生作品をつなげて、さらに大きな作品を作りたいとおっしゃっていたので、学生たちは個々の創作とその総合がもたらす効果の二つを体験できることになります。

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共通課題は、自身の考えたキャラクターを様々な背景の中で歩かせるというもの。

まずは、自分のオリジナルキャラクターを考えます。
それが歩く姿を頭の中で想像しながら・・・テク・テク・テク。

もしかして、キャラクターの名前までも考えているのだろうか・・・。

  イワン、ソーニャ、ウラジーミル、アレクセイ、アンナ・・・・
  ああ、ダメだ。 私には陳腐な名前しか思い浮かばない・・・。

今回のアニメ講座は、延べ5日間(実に3週間)にわたるものです。
今後は、途中の様子も随時お知らせしようと思っています。

どんな作品が作られてゆくのか、どうぞお楽しみに!

2018 年 6 月 19 日

フィンドリー大学研修団の受け入れ

6月19日、フィンドリー大学とニューカレドニア大学からの研修団が、大学にやってきました。

地元のアニメスタジオのスタッフでありながら、同時にアニメーション文化学科の非常勤講師でもある、レナト先生が1時間ほど彼らに講義をしてくれました。

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演題は、From “Cool Japan” to “Japanisme”。

その詳細については、以下の通りです。

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レナト先生は、ペルー生まれでイギリス育ち(英国籍)、日本でサブカルチャーの分野で博士号も取得しているという、なかなかの逸材です。

海外の人に、アニメやマンガという日本の新しい文化を紹介するのに、これほど適した人は他にいません。

なお、通常の授業は「完璧な日本語」でなされますので、その点はどうぞご安心を!

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面白かったのが、アメリカの学生たちの着席の仕方(左端の人は先生)。
こちらが何も指示していないのに、みんなきちんと並んで座っています。

絶対にアメリカじゃ、そんな風には座っていないだろう!

ちょっと、緊張しているのかな・・・。 確か、昨日岡山に着いたばかりだとか・・・。

2018 年 6 月 18 日

サザエさん発案の地は、周縁の地に!

週末、日本アニメーション学会の第20回大会に参加して来ました。
会場は、福岡にある西南学院大学です。

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地下鉄の西新駅を降りて、まず驚きました。
なにしろ、大きなサザエさんの看板がお出迎えです。
う~ん、サザエさん通り???

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確かに通りには、サザエさんののぼりも設置されており、かなり正式な名称のようです。

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サザエさん通りの命名理由は、この地でサザエ・カツオ・ワカメ・フネなどのキャラクターが考え出されたから、というもの。
つまり、ここが「サザエさん発案の地」というわけです。

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西南学院大学の図書館の前には、なんと長谷川町子先生とサザエさんの像まで建っていました。
これは、学生のモチベーション高めますよね!

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さて、ここからが出張の本当の目的、日本アニメーション学会です。
会場は、のどかな雰囲気!

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今回の大会テーマは「周縁から生まれるアニメーションの可能性」ですが、
中心である東京と比べた時の福岡の立ち位置を、まずは「周縁」としています。

でもその中心と周縁の関係も、実は見方を変えれば変わってきそうなのです。

福岡は現在、ゲームやエンターテインメント制作が盛んなことで知られていますが、
昔は本当に東京を意識しながら仕事をしていたんだそうです。
「こんちくしょうー!」と思いながら。

でも、仕事を数十年続けている内にやがて気持ちはぐるり一巡して、
今はアジアを中心にした海外に自然と関係者らの思いは向いているのだそうです。

アジアへの玄関口という視点で考えれば、今度は福岡が中心です。
ソウル・上海・台北・東京がほぼ等距離のところにあるのですから。

高梁も東京と比べれば確かに「周縁」なのだが、
そろそろそういう考えを、ぐ・る・り と一巡させなければ・・・。